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( ^ω^)外道の花道のようです

360 ◆hrDcI3XtP.:2020/09/14(月) 02:56:33 ID:LLzGAAM20

( ,,^Д^)「ふんふん、じゃあこんな具合で文は出来たんで……映像はまた別で撮るんで、その時までにセリフを選びますから、デレさんはそれを自然と受け答える感じで言ってもらう感じでいいですか?」

ζ(゚ー゚*ζ「え? あ、え……ああ、インタビューってリハーサルあるんですね? このやりとりって所謂台本づくり……?」

( ,,^Д^)「やり方は様々ですよ〜。こっちで作りきってセリフを言ってもらうことも少なくないですし。今回は地下アイドルっていう特殊なワードですから、本人から出たセリフが一番生々しいしリアリティが生まれるんですよ」

ζ(゚ー゚;ζ「ほえ〜、すっごい……やっぱり考えてあるんですね〜」

( ,,^Д^)「あはは、そりゃそうですよ! 映像もまた作品ですし商品ですから、マーケティングも含めて戦略は当然たてますよ〜!」

 一見すれば色欲の権化でありどうしようもない男かと思えたが、中々どうして仕事の具合はまともに思えた。

( ^ω^)(ふーむ、これが恐ろしいところなんだおね。優秀な奴ってのは能力がそもそも優れてるからその立場にある……それこそ実力ってやつだけどお。伊達に企画制作の立場を担ってるわけじゃないおね)

 無論、コネ等も大きな力であり、それがあるとないとでは出世の道のりは大きく変わってくる。
 今回の仕事も言ってしまえば親分氏のコネから得たものだ。そうなるとやはり、人脈というのは何よりとして重要な要素といえる。

( ,,^Д^)「んじゃカメラは二台で、ライブの状況を撮る程度ですかねぇ。作曲風景やレッスンの風景も撮りたかったんですがー……未だ事務所は機能をしていないそうですし、そうなるとねぇ」

( ^ω^)「流石に名前を出す程度が限界ですおね。ご配慮ありがとうございますお、痛み入りますお」

( ,,^Д^)「ま〜親分さん絡みですから、そうなるとこっちもね、数字稼ぐだけのお話じゃなくなりますし」

 そうでしょう、と高良はお道化たように問う。それに僕は何を言うでもなく寡言を貫くが、高良は鼻で笑うと煙草を咥えて火を灯した。
 揺れる紫煙の向こうでは相も変わらず胡散臭い笑顔があり、視線はねぶるような風で、麗をくまなく観察している。

( ^ω^)「……デレさん。インタビューは終わったので少し上の階で休んでてくださいお」

ζ(゚ー゚;ζ「え? でも……」

( ^ω^)「今日は新曲もあるでしょう? 本番でトチるのもまた愛嬌ですけどお、折角の初テレビですから、バチッとキめてくださいお」

 しどろもどろとしつつも麗は僕の言葉に頷くと場を後にする。
 現在、場所は僕が買い取った事務所の一階、客間だった。狭い室内で改めて向かい合った僕と高良の間には不穏な空気が流れている。


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