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錬金術師は遂せるようです

97 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 22:14:05 ID:YLCyI6VU0
( ^ν^)(故に奴の真価は、早々に解放されてしまった)

入間を宙に飛ばした時点で、模原の本能は、真実を掴んでいたに等しかった。
脳を司る小人としての本性を表した彼は、他人の脳を自在に操ることが出来た。
入間が強引に空間転移したのも、それが原因である。
空間認知機能を乗っ取り、五指の如く操った模原は、入間の位置情報を修正したのだ。
さも最初から、入間がそこに存在していたかのように。

( ^ν^)「散々だったんだぞ」

その苦労を一言に集約し、入間は言った。
しかし來狂は、さして興味がないように
豆だらけのコーヒーを啜った。

川 ゚ 々゚)「今後の勉強になっただろう?」

それは、來狂の本心であった。
身の丈に合わぬ欲を持ち、叶わざる願いをなぞるべく、
業(ごう)に染まりて業(わざ)を獲得する。
時として実子の肉体を傷付け、犠牲を強いながらも、
手放すことの出来ない価値を得る。
欺きによって牧羊犬と化し、真実を知りて狼獣へと還る。
自然にしろ、人工にしろ、産み出した結果に対する
向き合い方に、問題を抱える者は多い。
そして時にはそれを利用し、何者かの幸せを掴む道を選ばなくてはならない。
――これより参倍郷と新参会は、入間の暗躍によって殺しあうことになる。
両陣営を構成する人々にも人生があり、人格があり、思想がある。
それを皆、破壊するのだ。

( ^ν^)(分かっちゃいるよ)

だからこそ來狂は、入間に都子を傷付けさせたのだ。
だからこそ來狂は、入間に模原の真実を伏せたのだ。
悩み、思案し、誰かを救い、誰かを絶望へ
衝き落とすという決断を、自ら下せるようになるために。

( ^ν^)「本当に、あんたはイかれてる」

礼代わりの言葉に、來狂は微かに微笑んだ。
その背後にある扉より――ノックが四度響いた。


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