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錬金術師は遂せるようです
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:
◆vXEvaff8lA
:2020/05/03(日) 21:52:54 ID:YLCyI6VU0
(;o∀o)「――――」
声なき模原は、もはや何を言おうとしたのかさえ、纏めることが出来なかった。
妹を幽閉せし胸の奥――黒けき洞に、火のついたマッチが落とされたような心地。
虚ろで、同時に盲いた過信を照らすに足る、暗澹とした光であった。
それを感ずると同時に、模原は思い出す。
――叡智とは、あらゆる物質が傅く神秘。
この世を統べる巨大なる法。
如何なる暴力によって破壊されようと、いつかは回復するものだ。
されど智が秘めたる不変性は、それもまた猛き暴力にも数えられる。
ゆえに智力はフラスコや骨の中に飼われ、一生を過ごすこととなる。
だからホムンクルスは、フラスコの外から出られない。
(; ∀ )「そんな……」
模原の呟きは、連想される言葉に対する命乞いだった。
それ以上智を得ることは、取り返しのつかない展開を迎える。
彼の直感は、警鐘を鳴らす。
しかし真理は、智は、決して彼を容赦しない。
――例外によって産まれ出でた心臓は、
小人を閉じ込めるフラスコを象徴していた。
それを胸裡に抱えることで自らに宿った智力を心臓に封じ、
ホムンクルスとしての性を、彼は捨て去った。
されど封じられてもなお、智は力強かった。
かの不変性を以って、智は模原の肉体に干渉した。
不変性は、彼に無限の再生能力を与えた。
そしてホムンクルスの性を忘れることのないよう、
他人の脳に干渉する力も与えた。
拒絶してもなおこちらに手を伸ばす智を、模原はひどく恐れた。
同時に智の持つ強大な力に、彼は魅入られてもいた。
ゆえに模原は、都合に悪いことを忘れることにした。
その姿勢こそが、まさに選択肢の【狭窄】そのものあった。
その力に甘んじて彼は鍛錬を重ねることもなく、
何の疑問も抱かず、盲いたままに自らの能力に溺れ続けた。
常軌を逸する覚悟も、強固に執着する美学も持ち合わせていない模原。
彼は、錬金術師ではなかった。
(; ∀ )(そんなことが、常識として、赦されるのか)
詭弁を口にしたい模原だったが、それは出来なかった。
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