したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

錬金術師は遂せるようです

8 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 00:54:56 ID:YLCyI6VU0
( ^ν^)「さあ、医者のところへ行きやしょう」

身を固くしていた都子の肩をそっと剥がし、入間は優しく言った。
心なしか顔の赤さが増した彼女は、黙って頷いた。
都子の肩に回していた腕を解き、改めて入間は彼女の手を引く。

(;’e’)「いたか?」

(; ∵)「いや、いないようだ……」

仮装行列に混じる二人の目の前を、
参倍郷(さんばいごう)の構成員が通り過ぎていく。
彼らの胸元には、複雑な幾何学模様を主としたバッジが光り輝いている。
血の気が引いたように、都子は一瞬足を止めた。

( ^ν^)「怖がらなくたって、大丈夫さね」

歩みを止めず、入間は手を引き続ける。
その言葉通り、構成員達は遥か遠くの人波に揉まれて消えていった。
都子は、入間の機嫌を窺うように肯首する。
緊張に満ち満ちている彼女だが、その手は鉄のように冷えていた。
なにせ、今の彼女は生きているとは言い難い状態であった。
彼女の胸には、宝石が埋め込まれているのだから。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板