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錬金術師は遂せるようです

74 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 21:44:26 ID:YLCyI6VU0
( ・∀・)「もっと僕の近くにおいでったら」

甘ったるく、妙な色艶を滲ませて、模原は入間の懐へ詰め寄った。
放たれる斬撃を、入間はなんとか躱す。

(  ν )(まだなのか、都子――)

奪われる選択肢を垣間見て、入間は動きを鈍らせた。
好機とばかりに、模原の左手がフックを放つ。

(; ν )「ぐぅ――ッ!」

クラリとする意識を保ちながら、入間は模原を睨む。
まともにパンチが入り、模原は調子に乗ったらしい。
もう一回殴ろうとする相手を、入間は切りつけた。
微かに表情を歪ませた彼は、左腕が切り裂かれていた。
入間の頬に、生暖かい血が飛んでくる。
されど模原は、構わず突っ込んできた。
姿勢低く、入間は模原の脇をすり抜けた。

( ^ν^)(あっ)

そう思うも、時すでに遅し。
去り際に入間は、模原の横腹を裂いていた。
反射的に下した選択肢を、入間は止められなかった。
蓄積した疲労は、並行して行われるゲームにも影響していた。
ちょうど今、脳内の入間は模原の駒を蹴散らかすところだった。

( ^ν^)「あぁ……」

徒労に終わった声が、入間から漏れ出した。
飛び出したモツが逆再生するように、つるんと模原の腹へ戻ったからだ。

( ・∀・)「本当に、惨いことばかり施すんだから」

痛くもない腹をさすり、模原は少々苛つきを見せた。


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