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錬金術師は遂せるようです

72 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 21:43:00 ID:YLCyI6VU0
それを皮切りに、入間は屋上を駆けた。
模原へ肉薄し、まずはその右肩に刺突を仕掛ける。
模原は肩を引き、入間のナイフを躱す。
空振る入間の左手首を切り落とすべく、今度は模原がナイフを走らせた。
後退する入間だが、名残惜しいのか、蹴りを放つ。
模原の顎を狙ったが、間一髪、左肘によって払い落とされてしまった。

( ^ν^)チッ...

なおも後退する入間を、模原は跳躍して追い詰める。
狙うは入間の脳天、ないしは首であった。
落下の勢いを利用し、模原の凶刃が入間へと迫る。
一瞬焦ったような表情で、入間は前転して避けた。
しかしその背中に、薄ら寒いものが走った。

(;^ν^)(ヤバ――)

大仰で隙の多い攻撃は、模原のブラフだった。
悟る入間の背後に、投擲されたナイフがなぞろうとした時だった。
超加速した入間は、右腕でナイフを薙ぎ払った。

ギャリッ――…………

鉄で鉄を殴ったような音が、虚空に響く。
弾かれて明後日の方向へと向かうナイフは、欄干を越えようとしていた。

( ・∀・)「おぉっと」

肉が抉れるのも構わず、模原の素手はそれを握り締めた。
ボタボタと血が垂れるが、屋上を濡らす前にそれは掻き消えた。

( ^ν^)(まるで液体窒素が蒸発するようだ)

改めて人外の能力を目の当たりにし、入間は苛立った。

( ・∀・)「うわ、痛くないんですか?」

( ^ν^)「クソ痛ェわ、ダボ」

食い気味に入間は答えた。
その証拠に、右腕は柳のように揺れている。
度重なる酷使によって、筋は弛緩しきっていた。


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