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錬金術師は遂せるようです

62 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 21:25:30 ID:YLCyI6VU0
参倍郷には、金がある。

( ^ν^)(会員費か――!)

全身の毛穴をこじ開けて、戦慄が彼の身を蝕もうとしているようだった。
奥歯を噛む入間の顎から、ギリギリと終末じみた音が聞こえる。
それがかえって、彼の立つ瀬を指し示しているように思えた。
何故なら錬金術師は隙間産業であり、絶滅寸前の儚き職業でありながらも、
絶対に滅ぶことのない、罪深い浪漫であった。
飄々と生きている來狂も、必死になって隷従する入間も、危うい学業の渕を歩いている。
そういう意味では、錬金術師であるというだけで、彼は単なる孤独ではなかった。
ゆえに彼は、自分という人間の矮小さと宇宙の広大さ、それが恵ばかりでなく、
濃淡鮮やかな深淵さえをも含めて、自身に宿る小宇宙でも同様のことが起こる奇跡だと――。
ようやく、受け入れることが出来るのだ。


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