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錬金術師は遂せるようです

60 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 21:22:05 ID:YLCyI6VU0
――凝り固まった眉間の皺を伸ばすように、入間の目が開かれる。
その瞳には、軽蔑するような色が浮かんでいた。

( ^ν^)(誰も彼もが欲に塗れ、
       それが呼び水となっているような事件だ)

より強大な欲に呑まれた人間は、目先の欲に囚われる弱者を捕食する。
弱肉強食とはよく言うが、人間同士で行われるとどうにも気持ちが悪い。
潔癖な入間は、そう思わざるを得なかった。

川 ゚ 々゚)「じゃーん!」

折り紙の完成を喜ぶ声が、突如として響く。
何の変哲もない、それはブックカバーだった。
まるで小人の皮を剥いで装丁にしたような、
猟奇的な趣きしか、入間は感じなかった。
本の裏表紙にあたる部分には、脳の断面図も描かれているらしい。
それがなおのこと、カバーの不気味さに拍車を掛けていた。
來狂はコレクションの山へと近付くと、乱雑に本を放った。
決して軽くはない音が響き、衝撃で山はまた雪崩を起こした。

川 ゚ 々゚)「今日の片付けは、おーわり」

( ^ν^)「冗談だろ」

パラパラと未だ崩れる山に、入間は呆然と言葉を放った。
しかし來狂は、清々とした顔付きだ。

川 ゚ 々゚)「だってあの紙も、あの本も、別々に置かれていたものなんだよ?」

それを一つに纏めたのだから、これは整理したうちに入る。
來狂の言い分は、そのようなものだった。

( ^ν^)(片付けの概念にズレがある……)

頭を抱えそうになるが、ふと気付く。


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