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錬金術師は遂せるようです

56 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 21:18:33 ID:YLCyI6VU0
何故カリオストロ伯爵は、失脚したのか。
吹っかけられた問いに対し、回想内の入間は
ようやく岩塩を飲みくだした。

(;^ν^)「王妃の首飾り事件だろ……」

しかし単なる答えでは、來狂の興味を引くことが出来ない。
現に彼は、折り紙に興じていた。
手折られる紙の隙間からは、不気味な小人が微笑んでいる。
それが絵だと気付くまで、入間はほんの少し時間がかかった。
ヒョロヒョロとした体つきの小人は、
巨大すぎる手を重石がわりにして立ち塞がっていた。
長躯に負けず劣らず、顔もまた細長いが、唇はなおのこと目立っている。
肥大し、突出した口からは、雄蕊のように舌が突き出ている。
一言で言えば、異形、畸形、戦慄、涜神を連想させる風貌だった。
とはいえ妙な珍物を見慣れている入間は、すぐに落ち着きを取り戻した。
そうて來狂から玩ばれる前に、考え事を済ませてしまおうとも思った。
少なくとも折り紙が終わるまで、入間には平穏が訪れるに違いない。
その隙に乗じ、入間は王妃の首飾り事件に思いを馳せた。


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