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錬金術師は遂せるようです

48 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 21:08:00 ID:YLCyI6VU0
( ^ν^)「すまない。優柔不断に陥り、判断を誤った。
       依頼人に助けられるなんて、仕事人失格だ」

ζ(゚ー゚*ζ「そんな……」

困った様子の都子は、おどおどとした口調で続ける。

ζ(゚ー゚*ζ「お礼を言うなら、來須さんに言ってください」

來須とは、來狂のことである。
入間は一瞬ポカンとして、それから頬を掻いた。

( ^ν^)「何だって、アイツの名前が出てくる?」

入間の問いに、都子は困ったような表情を浮かべた。
しかし彼女は、熟慮しているようでもあった。

( ^ν^)「ゆっくりでいい」

思いのほか柔らかく、言葉が放たれたことに、入間は驚いていた。
彼は初めて、都子と対話しようとしていた。

ζ(゚ー゚*ζ「閉じ込められていた時のわたしは、
      逃げようとしなかったんです」

ポツと言葉を零し、都子は小さく呟く。

ζ(゚、゚*ζ「違う……」

彼女の言葉を守るように、入間は起き上がった。
都子は、静かに言葉を繋いだ。

ζ(゚ー゚*ζ「正確に言うと、逃げたいとは思っていたんです。
     それなのに、逃げると言う選択肢が浮かばなかった」

( ^ν^)「ほう――?」

話を促す入間に、都子は勇気付けられた。
彼女は今、底の見えない暗闇に架かる
吊り橋を渡るような恐怖と緊張に襲われていた。
しかし今目の前には、都子の命を預かる入間という人間がいた。


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