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錬金術師は遂せるようです

44 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 21:04:37 ID:YLCyI6VU0
からくも模原より逃れた入間たちは、
來狂の助けによって、とあるビルに辿り着いた。
といっても、この場に來狂の姿はない。
彼の援助はいつでもさりげなく――グラフィックステッカーや自販機の音声案内、
打ち棄てられた使い捨ての傘や自転車の番号などを通じて、入間の意識へ働き掛けるのだ。

(;^ν^)「ここならしばらく、安全なはずだ……」

息の上がった入間を、來狂は楽しげに観察していることだろう。
何とも歯痒い気持ちに襲われるが、助けられたのは事実である。
幾ばくか呼吸の落ち着いた入間は、辺りを見渡した。
ビルの内部は、濡れた埃の臭いで充満している。
生活痕が見受けられるものの、二人を邪魔する者はいない。
近々取り壊される予定がある為、先住民は立ち退きを迫られたのだ。

ζ(゚、゚;*ζ「大丈夫ですか……」

入間の背中に、心配そうな声が投げかけられる。

( ^ν^)「ああ」

短く返す入間の視線は、物資を探していた。
暗号曰く、來狂は入間の助けになる道具をビルに配置したのだという。
都子を気にかけながらも、入間は瓦礫を超えて探索する。
ところが入間は、些細な破片につまずいた。

ζ(゚、゚;*ζ「入間さんっ……!」

駆け寄る都子は、四肢に力の入らない入間を抱き起こした。

(; ν )(なんてザマだ)

あちこちの筋が攣りかけていることに、入間は舌打ちした。
それもそのはずだった。
先の逃走で入間は、背負っていた都子にも【超加速】を施したのだ。
もっともそれが無ければ、都子は
【超加速】によるダメージを、一方的に受けることになる。
入間の性格上、それは許されないことだった。
とはいえ彼の体からは、あまりにもナトリウムが失われすぎていた。


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