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錬金術師は遂せるようです

41 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 21:02:28 ID:YLCyI6VU0
川 ゚ 々゚)「やっぱり君と居ると、飽きないねぇ」

囁くようにごちた來狂に、入間は気付かない。
それさえも上機嫌の材料とし、來狂は自慢のコレクション――奇形児を収めたレントゲン写真や、
体性感覚の地図、オークションの招待状や稀覯本など――へと近付いた。
無造作に立て掛けられた鶴嘴を手にすると、瞬く間にその山は雪崩れた。

( ^ν^)「自分で片付けろよな」

集中力を欠いた入間はそう言うものの、半ば諦めていた。
もう何十年も、來狂は私物を顧みないのである。

川 ゚ 々゚)「はいはい」

案の定、彼は上の空で返した。
呆れる入間の視界に、鶴嘴が差し出された。
都子を嬲る、例の得物である。

( ^ν^)(登山用のそれと、あまり大きさが変わらないな)

資料を読破した彼は、気晴らしとばかりにそれを受け取った。
持ち運びを考慮したのだろうか、柄は竹で出来ており、重さが殆どない。
一方先端に取り付けられた鉄は、凶悪な形をしていた。
嘴状に鋭く尖った左の刃には、細かな返しが付いている。
都子から鶴嘴を抜く時に、それらがズタズタに肉を引き裂くのだ。
対となる右の刃も、負けず劣らず悪趣味な造りをしていた。
持ち手へ媚びるように、細身の鍬は角度を付けられていた。
骨身にこの刃を忍ばせれば、梃子の要領で無理矢理肉を剥がすことが出来るのだろう。
そこまで考えて入間は、錬金術師の悪どさに舌打ちをした。


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