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錬金術師は遂せるようです

30 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 01:09:56 ID:YLCyI6VU0
万が一都子に傷が付いたとしても、
【傷みの王】がたちどころに癒すことを模原は分かっている。
その性質を入間も十全に理解しているが、
都子に傷を付けることなど、彼の道理に反していた。

( ^ν^)(あいつは、人間なんだ)

ズブの素人である模原が、弱味を握って一丁前に刃を奮う状況に、
入間は苛ついて仕方がなかった。
ヘロヘロと振り回されるナイフを、入間は銃のグリップで去なす。

( ^ν^)(腹が立つ)

彼の怒りを駆り立てているものは、もう一つあった。
それは、模原が到底錬金術師には見えないことだった。
下衆であれ、外道であれ、鬼畜であろうと、
技術ある錬金術師は、行動の端々に美学を漂わせている。
それはいくら隠そうとしても滲み出でる、影のように付き纏う性癖のようなものだ。
だがしかし、模原はご覧の有様である。
彼には徹底した狂気もなければ、理屈もなく、
ただ自らの不死性さえも玩具のように振り翳す。
要するに、向上心のない馬鹿者であった。

( ^ν^)(こちとら遊びで、錬金術齧ってるわけじゃねぇんだ!)

苛立ちが最高潮に達した入間は、模原の関節を捻る。
ナイフを持つ手首がゴキゴキと嫌な音を立て、ぶらんと使い物にならなくなった。
銃を突きつける入間に、模原は頭突きを迫った。

( ^ν^)「遅ェ!」

叫ぶ入間は指に力を込めて――しかし、狼狽した。

( ^ν^)(ハ、?)

目前に迫った頭突きに、入間は慌てて飛び下がった。


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