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錬金術師は遂せるようです

26 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 01:06:55 ID:YLCyI6VU0
倒れる模原の足から、枝を折るような音が響く。
その勢いに乗じて、入間は模原の鳩尾に左肘鉄を見舞った。
肋の折れた模原は、初めて呻いた。
しかし模原は、諦めていなかった。
彼はナイフを取り落とし、左手で掴んだ。
殺意に満ちたそれは、入間の顔を切り裂こうとしていた。

(;^ν^)(クソが……ッ!)

苦肉の策として、入間は掌底を放った。
ナトリウムの反応を模したそれは、【超加速】した状態で相手の腕に到達。
模原の手から、ナイフが落ちた。
靭帯が伸びたせいで、模原の腕は力が入らないのだろう。
ジク、とした痛みが入間の右腕を襲う。
骨そのものを叩かれたような痛みは、大きすぎる代償とも取れた。
入間は敵の胸部に、銃口を充てた。
引鉄に指を込め、撃鉄が雷管を叩いた刹那だった。
模原の右手が、銃口へと迫ったのだ。

(;^ν^)(おいおい!)

このままでは入間も、至近距離の爆発に巻き込まれてしまう。
掌底と同じ要領で、入間は両の脚に【超加速】を施した。
弾速よりも素速い動きで、入間は一難を除けた。

( ・∀・)「結構な、お点前で」

嘲りのような模原の言葉には、少なからず賞賛も含まれているようだった。
新参会にも腕の立つ男がいることに、彼は驚いているのだろう。
しかし入間には、何の慰めにもならない。
彼はただ参倍郷と敵対する組織の名を借りた、部外者であるからだ。
おまけに模原の傷は、早くも再生し終えるところだった。


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