したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

錬金術師は遂せるようです

22 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 01:03:30 ID:YLCyI6VU0
( ^ν^)「誰だ、そいつ」

ζ( 、 ;*ζ「わたしの付き人です……」

といっても、食事しか運んでくれなかったけど、と続く都子の言葉は掠れている。
その声音は、しとしとと降る霧雨に紛れて路地へと拡散した。

ζ( 、 ;*ζ「ただ、あの人といるとおかしくなってしまうから――」

どういう意味なのか、入間が問い質そうとした時だった。
ぬらめく闇の向こうで、僅かに濃淡が狂ったのは。

( ^ν^)(ああ、正面から来やがるのか)

妙に紳士ぶった振る舞いをしやがる、と入間は舌打ちをした。
それも散歩をするような歩調だ。
雨混じりの風が、腐った血のような臭いを運ぶ。
薄暗い路地に、彼は閑かに佇んだ。

( ・∀・)「今晩は、都子さん」

上質な白いシャツに、サテンのネクタイが僅かに光を放つ。
闇に溶け込むようなスラックスは、スタイルの良さを際立たせている。
美貌の付き人――模原は、不敵な笑みを浮かべていた。

( ^ν^)「アンタか、妙な小細工をしてくれたのは」

( ・∀・)「男連れだなんて、関心しませんね。
        付き合う相手を間違えていますよ」

入間がいないかのように振る舞う模原は、悠然と一歩を踏み出した。
と同時に都子は、入間の衣服に縋った。
入間の眉間に皺が生じたが、彼女をそっと押し戻すことで、それは解決した。

( ^ν^)「シカトたぁ、関心しないぜ。模原さんよ」

( ・∀・)「これは失礼。
        新参会の人間とは、口を利き慣れていないもので」

白々しい様子で、模原は会釈した。
どうやら彼は、入間の策に騙されているらしい。
その点に関していえば入間はやや安堵したが、
今起きている事態そのものは、歓迎出来なかった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板