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錬金術師は遂せるようです

13 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 00:58:20 ID:YLCyI6VU0
( ^ν^)(わざわざ名称付けしたのは、理由があるのだろう……)

資料によれば参倍郷を結成した当初、多くの部下を失ったと書いてあった。
無理もないことだと、入間は共感を示す。
どこの馬の骨とも分からず、聞き覚えのない肩書きを背負った人間を、
会長が崇め奉り、一財を投じて宝石を手に入れたのだ。
誰も彼もが、頭目の正気を疑っていたのだろう。

( ^ν^)(だが【王】の価値は、本物であった)

よって一時期参倍郷には、離反した人間が大挙したらしい。
組織の再建と大金を夢見て、あれこれすり寄ったらしいが、結果は無駄に終わった。
今頃になって頭目をおだてたところで、彼らの不義理は清算出来なかったのだろう。

( ^ν^)(しかし腐っても、反社集団だな)

あぶれた彼らは腹いせとして、参倍郷と敵対することを選んだ。
その名も新参会というのだから、かつての栄光と未練がまざまざと滲んでいる。
いつの時代も人間の行動には、一定の不変性が存在しているらしい。
人間の負性にうんざりしながらも、入間は書類を読み進める。
大仰な会員証に、彼の目が止まった。
曰く來須・クローウェル――数ある來狂の名義――は、
公明で正大なる審査と厳格にして栄えある試験を合格し、
莫大かつぼったくりともいえる年会費を支払ったらしい。
腐っても参倍郷は、錬金術に関する結社である。
入会に関わる試験には錬金術への造詣を問うものもあったに違いない。
が、どう考えても最大の関門は、年会費である。
ゼロの数が十桁を超えたあたりで、入間は年会費の計算をやめた。

( ^ν^)(大方、実利と新参会の連中を
       突っぱねる口実を、兼ねているってところか)

煮え切らないものを感じながらも、入間は忙しなく文字を追う。
次に彼が目にしたのは、長大な規約書だった。
外部の人間には参倍郷の会員であることは他言無用であるとか、
逆に入会できる資格を持つ友人には積極的に紹介をお願いするだとか、
守秘義務と営利目的が入り乱れたような文がつらつらと並んでいる。
他方この項目は、【乳母のフラスコ】を利用する際の注意点や、
予約の入れ方についても触れていた。


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