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錬金術師は遂せるようです

104 ◆vXEvaff8lA:2020/05/03(日) 22:25:11 ID:YLCyI6VU0
視線を辿れば、猫の額ほどの中洲で、亀がいる。
ミシシッピアカミミガメが首を伸ばし、日差しを享受している。

(;^ν^)「お、おう……そうだな……」

体から力が抜けながらも、入間は精一杯優しく言うよう努めた。

(;^ν^)(なんとか男同士の約束は守ったぜ、模原……)

そんな心も知らず、都子は更なる報せを運ぶ。

ζ(゚ヮ゚*ζ「しかもアイスクリームみたいに、三段重ねしてますよー!」

興奮気味に語る都子は、スマホを取り出した。
先月契約したばかりのそれは、ようやく彼女の手に馴染もうとしている。

( ^ν^)(電源のつけ方さえ分からなかった子が、写真を撮ってる)

故障を疑ってスマホを片手にベソをかいていた都子を思い出し、入間は眉根を寄せた。
無論それは不機嫌を表しているのではなく、微笑ましさを隠したものだった。
それに気付かず、都子は日向ぼっこをする亀タワーを画面に収めた。

( ^ν^)「撮ってどうするんだ」

ζ(゚ヮ゚*ζ「來狂さんに、見せるんです!」

屈託のなく答える都子に、入間はしばし考え込んだ。

( ^ν^)「……そりゃいいな」

意味深に開いた間には気付かず、都子はニコニコと微笑む。
入間の脳裏では、亀を見せられて、反応に困る來狂の姿が浮かんでいた。
都子の無邪気さには、さしもの彼もたじろいでしまうのだ。
その様を密かに観察し、溜飲を下げるのが入間の日課であった。


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