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川 ゚ 々゚)素直クルウは狂わないようです

45名無しさん:2018/12/12(水) 23:21:28 ID:1uWNdK6Q0
狂った世界で狂わない(狂ってないつもりの)自分て設定で外れたみんなの頭のネジ思い出したわ

46名無しさん:2018/12/13(木) 15:41:15 ID:1rlE7j8M0



若者達の喧騒。
無邪気な笑い声。
輩との思い出。
何気無い一日。
青春の記憶。






僕の名前は素直 クルウ。
年齢16歳。
身長175センチ、体重45キロの痩せ型。
異性との交際、性行為の経験共に無い。
舞雲高等学校の1年B組に在籍している。
同好会や愛好会にも所属していない。

何処にだっている、平凡な男だ。



唐突な話だが、僕は他人との距離感を大事にする人間だ。
一応『友人』という枠組みの中にいる盛岡との関係でも気を使っているんだ。
そう、決して近づき過ぎないようにね。

47名無しさん:2018/12/13(木) 15:43:00 ID:yWXwAXbY0
盛岡とは学校の中では昼食を共にしたり帰路を共にしたりするが、それ以上の付き合いは絶対にしないように心掛けている。
例えば放課後に遊びに出掛けたりだとか、暇だから夜になんとなく電話をかけて時間を潰しあったりだとか、そういった無駄に馴れ馴れしい行動は一切しない。

何故ならこの素直クルウはあくまでモブだからだ。
目立たない事を第一に行動している僕からすれば友人というのはあくまで学校内でボッチを回避する為の盾でしかない。
どうせ今、どんなに仲の良い人間を作ったところでクラスが変わったり卒業したりすれば碌に話もしなくなるだろう。

寧ろ親しくなり過ぎて僕の事を記憶に刻み込まれでもしたら本末転倒だ。
居ても居なくても変わらない。
顔も声もハッキリ思い出せない。
そんな平凡にして平穏なモブライフこそがこの僕の『幸福』の形なのだからね。


つまり。長々と何でこんな事を説明しているかというと、だ。
僕にとって『友人』とはあくまで『平穏な生活』を送るためだけの見せかけの存在だという事を説明しているのだ。

罷り間違っても青春を共に謳歌し、忘れられない輝かしい思い出を作り上げる為の『かけがえの無い存在』だなんて阿保臭くて吐気がするようは存在では無い。

僕は友人と馴れ合うつもりもなければ、青春ごっこに興じるつもりも一切無い。
そう。そんな事に一切興味は無いのだ。

48名無しさん:2018/12/13(木) 15:44:43 ID:W5MCerjA0


(*'A`)「カモンベイビー‼︎ アメリカアアアアアン‼︎‼︎」

(* ^ω^)「アメリカアアアアアン‼︎」



ξ゚⊿゚)ξ「相変わらずドクオって無駄に歌上手いわよね。顔に似合わず」

川 ゚ -゚)「あの顔も見慣れると可愛いものさ。次は誰だったかな?」

ζ(゚ー゚*ζ「順番的にお姉ちゃんじゃないかな。あ、クルウ君。飲み物はアイスティーで良かったかな?」

川 ゚ 々゚)「あ、ありがとう。照咲さん。わざわざ気を使わせちゃって」

ζ(゚ー゚*ζ「好きでやってるから気にしないで。それと、私の事は」

川; ゚ 々゚)「あ、ああゴメン。未だに慣れなくて、ね。デレ、さん」

ζ(^ー^*ζ「うん。それで良し」

49名無しさん:2018/12/13(木) 15:46:18 ID:zA7od5lo0

狭苦しい部屋の中。
歌声と慣れ親しんだ音楽が響き渡る。
合間に弾む楽しげな会話。
放課後のお楽しみ。
ティーンエイジャーの思い出作り。



(*'A`)「あー歌った歌った。次マイク誰よ?」

ξ゚⊿゚)ξ「私ね。この曲は久々に歌うから緊張するわ」

( ^ω^)「何を歌うんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「ルビーの指輪」


デンモクと呼ばれる見慣れないタッチパネルの機械から手を離した照咲姉は、慣れた手つきでマイクをくるくる回して口元に構えた。

そう、マイクだ。
この狭苦しい室内でさっきからこの連中の歌声を延々と聞かされているのだ。
まあ、場所が場所だからな。
別に好き勝手に歌えば良いさ。そういう場所なんだからな。


(;'A`)「あ、相変わらず選曲が渋過ぎて何の曲か分からねえ」

(;^ω^)「なんでこのメンツの女性人はズレた選曲ばかりなんだお。ツンは昭和曲だしクーは演歌ばかりだし」

川 ゚ -゚)「むう。演歌はいいぞ。日本人の心だ」

(;'A`)「まあ、確かにクーの天城越えは鬼気迫る物があるけども。普通なのはデレくらいか?」

( ^ω^)「いきものがかりとか大塚愛とか女の子らしいチョイスだお。ツンにも見習って欲しいお」

ξ゚⊿゚)ξ「はあ? 喧嘩売ってんの? 私だって立派な乙女じゃない」

50名無しさん:2018/12/13(木) 15:51:17 ID:UdIOJa8g0
ああ、好きにすればいいさ。
どうぞご勝手に、反吐がでるようなクソ下らない青春ごっこを謳歌するがいいさ。
僕は一切、邪魔はしない。

だから。邪魔はしないから。
何度も何度も言わせないでくれ……。


(;'A`)「16歳にして蠍座の女を熱唱した人に乙女とか言われても……」

川 ゚ -゚)「確かに古い曲の割合が多いな、ツンの場合は」

ζ(゚ー゚*ζ「歌はとっても上手いんだけどね、お姉ちゃんは。ところで……」






ζ(^ー^*ζ「クルウ君は歌わないの?」





この僕を巻き込むなと言ってるだろうがクソカス共があああああぁぁぁ〜〜〜〜〜‼︎‼︎

51名無しさん:2018/12/13(木) 15:52:36 ID:4d/qd3fY0

川# 々 )(油断していた! ツキが無くなる日は『まだ先』だったから油断していた‼︎)


思えば兆候はあったのだ。
まず今日は盛岡が風邪で欠席だった。
奴が居ないことで休み時間にボッチ扱いされて悪目立ちする可能性が上がるのは癪だが、まだ許容範囲だった。

どうせ一日二日の話だ。最悪校庭の裏庭や空き教室に勝手に忍び込んで昼食を取ればいい。
流石に衛生的な問題で便所で飯を食おうとは思わないがな。
しかし、改めて考えると世のボッチ共はよくあんな臭くて汚いところで食事をする気になるな。
まあ、頭がイかれているんだろうな。

こうして頭の中で一日の計画を立てていた僕だった。
だがそんな僕の完璧な計画をぶち壊す為か、わざわざ眼前に立ち塞がるイカレポンチがいた。
言うまでも無いだろう? そう、ピンクエイリアンこと照咲妹だ。


退屈で特に得るものの無い午前の授業をやり過ごして、いざ昼食の時間。
さあ席を立とうと思った僕の前に、あの発情スイーツ異星人は無駄に可愛らしいお弁当箱を引っさげて教室のど真ん中で僕にこう言いやがったんだ。


ζ(゚ー゚*ζ「素直君。よ、良かったら一緒にお昼どうかな?」

.

52名無しさん:2018/12/13(木) 15:56:14 ID:ju0OE.aY0


凍りつく教室。
集まる視線。
嫉妬に狂う男の目。
沸き立つ女の声。
流れる冷や汗。
拒否は、許されない。



何度も何度も言うが照咲デレはマドンナだ。
奴とお近付きになる為に他校の生徒がわざわざ待ち伏せてナンパに挑戦する程に周囲に知れ渡った美貌を持つヒロインなのだ。
そんな彼女が、ここ最近モブ男に積極的に話しかけていたのだから、元々注目は浴びていたのだ。

しかし! 昼食を! 共にする‼︎
高校生という色恋に敏感な時期に、恋人でもない男女が食事を共にするという意味は決して小さく無い‼︎
しかも誘ったのはあの照咲デレからなのだ‼︎
嫌でも人目を引くだろう。嫌でも目立つに決まっている‼︎


川# 々 )(ブチ殺すぞこのクソアマがあああああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜‼︎‼︎)

.

53名無しさん:2018/12/13(木) 15:57:43 ID:EKBhdZ5U0
そんな溢れ出る殺意を必死な思いで隠し通して、錆び付くブリキ人形みたいなぎこちない動きで何とか僕は頷いた。
ここで断りでもしてみろ‼︎ クラスどころか学校中の人間から敵視されるに決まってるだろう‼︎


ハッキリ言ってそこからの記憶は曖昧だ。
あまりの怒りと不快感に胃が痛むし『頭皮がジクジクと疼いて』昼食を味わう暇や照咲妹との会話を記憶している余裕は無かったからな。

覚えている事は少ない。
照咲妹の事を今後、下の名前であるデレと呼ぶように強制された事。
照咲妹の方まで僕の事を馴れ馴れしくクルウと呼ぶようになった事。

そして何故か今日の放課後。つまり今。
照咲妹の幼馴染達であるスクールカースト上位の面々とカラオケに連行される流れになってしまった事。


川# 々 )(まだ一日! カレンダーではまだ一日余裕があったじゃないか‼︎ 『ツキが無くなるあの日』まで‼︎
今日という日は忌々しくも『運命に見放された日』ではない筈なのにいいいいいいぃぃぃぃ〜〜〜〜‼︎)


昔からそうだった。
昔からこの素直クルウは『運命』って奴にとことん嫌われていた。

54名無しさん:2018/12/13(木) 16:05:33 ID:ZgZnuFSU0
そして月に何回か。
ランダムではあるがそれでも何度かは『運命に完璧に見放されて、ツキが完全に無くなる日』が訪れるのだ。
その日の僕の不幸っぷりは半端ではない。
無神論者の僕だがその日だけは天に召しますクソ神様に中指立ててクソ爆弾喰らわせたくなるくらいだ。

『カレンダー』や『天気予報』である程度の予測が立てられるのがまだ救いではあるが、それでも僕が運命から嫌われているという事実は変わる事が無い。

そうでも無ければこんな関わりたくも無い異星人共のサバトに強制連行される筈も無いからな‼︎


川; ゚ 々゚)「こういう所、来るの初めてだからさ。何を歌えばいいか分からないんだ」

ζ(゚ー゚*;ζ「あ、そうなんだ。何だか強引に誘っちゃったみたいでゴメンね?」

川; ^々^)「ハハハ。気にしないでよデレさん。元々、興味はあったからね。誘ってくれて嬉しいよ」


嬉しい訳あるかこのピンクエイリアンがあああああぁぁぁ‼︎
この素直クルウの時間を奪われた時点で剛腹ものだが何よりもこのメンツが最悪なんだよ‼︎

55名無しさん:2018/12/13(木) 16:08:37 ID:ZgZnuFSU0
全員がクラスメートで異星人及びその関係者ばかりじゃないか⁉︎
何故だ‼︎ 平凡で平穏な生活を望んでいるだけの無害な僕に何故こんな試練ばかり訪れるのだああああああぁぁぁぉ⁉︎


川 ゚ -゚)「まあ最初は私も戸惑ったがな。案外慣れれば楽しいものだよ、素直クルウ君」

川 ゚ 々゚)「そうなんだ。えーと、委員長さん」

川 ゚ -゚)「ここは学校ではない。私の事は空承 クールで構わないよ」

川 ゚ 々゚)「あ、ゴメン。宜しくね、空条さん」

('A`)「そーいや俺もちゃんと自己紹介してなかったよな。宇都田 ドクオだ。 ミリタリー同好会に入ってんだ、宜しくな」

( ^ω^)「お? 自己紹介の流れかお? 僕は内藤 ホライゾン。あだ名はブーン。陸上部で短距離やってるお」

川^ 々^)「丁寧にありがとう。素直クルウだよ、宜しくね」


この地獄のカラオケボックスにいるメンツは照咲姉妹、それにサムライ委員長の空条 クール。
ガリガリの宇都田 ドクオに、ブタバナの内藤 ホライゾン。
言うまでも無いがこいつらは異星人とその関係者だ。

56名無しさん:2018/12/13(木) 16:12:17 ID:ZgZnuFSU0
クラスでの会話を耳に挟んだ程度だが宇都田は空条と。
内藤は照咲姉と恋人の関係だそうだ。

全くもってどうでもいい話だが、誰が誰と付き合っているという話は意外と重要だったりする。
ちょっと喋っただけで人の女に色目使ったとか難癖つけてくるバカもいるからな。
トラブルを避けるために学内の情報はなるべく多く握っているに越した事は無いのだ。


しかし、照咲姉妹は今更だがこの面々で特に注意すべきはもう一人の異星人だな。
多少、脚が速いだけの内藤と可哀想な顔面の宇都田はともかく。空条 クール。
こいつは危険だ。



川 ゚ -゚)

空条 クール。
1年B組の学級委員長にして女子剣道部の超有望株。
腰まで伸ばした黒髪は烏の濡れ羽色。
作り物みてーな美貌に無駄にデカくてキラキラした瞳。
やや堅苦しい喋り方に一寸の隙も見せない程にしっかりと着こなしたセーラー服、シャンと胸を張ったその姿勢はまさにサムライガールの名前がピッタリだ。

アレだ。なんつーかハーレム物のラノベに絶対一人はいる大和撫子枠だな。
古き良き日本女子を具現化したようなその美貌と性格はまさに男の理想って奴なんだろう。
最も、僕からしたら関わりたく無い異星人の一人でしか無いがね。

57名無しさん:2018/12/13(木) 16:13:48 ID:ZgZnuFSU0
しかし此処までの美貌を持っているのに何故、宇都田のようなグロテスクな顔面の男と付き合っているのだ?
やはり異星人だから美醜の感覚が人間と違うのだろうか?
まあ、彼氏持ちなら照咲妹みたいにこっちにくっ付いてきたりはしないだろう。
そう考えると多少は安心できるな。


('A`)「そーいや素直は歌わねーの? ワリカンなんだから金が勿体ねーぜ?」

川 ゚ -゚)「カラオケに来るの初めてだそうだ」

('A`)b「ああ、なーる。ダイジョブダイジョブ、下手でも笑うような人間は此処にはいねーから、楽しもうぜ!」

川^ 々^)「ハハハ。ありがとう宇都田君」


その顔で近づくなブサイクが。
別に僕も人様の事をどうこう言えるルックスでは無いが、人に不快感を与える程では無いぞ。
それに何だかドクダミ草みたいな体臭がして非常に不愉快なんだ。

ああ、もう早く帰りたい。僕がこんな受難を味わってるのも全てピンクエイリアンのせいだ‼︎

58名無しさん:2018/12/13(木) 16:15:20 ID:ZgZnuFSU0

ξ゚⊿゚)ξ「ふう、歌い終わった。そういやクルウ、あんた歌わないの?」

('A`)「今ちょーどその話をしてたんだわ。初カラオケらしいぜ」

ξ゚⊿゚)ξ「ふぅん。クルウ、あんたって普段はどんな曲聴いてるのよ?」


ぐっ……此処で歌わずに帰るという選択肢は取れないか。
忌々しくもこいつらはクラス内のスクールカーストで最上位のグループだ。
白けた空気を作って目の敵にでもされたら僕のスクールライフも終わりだ。

しかし弱ったな。僕は今時の音楽に全くと言っていいほど興味が無いんだが。


川 ゚ 々゚)「うーん、父さんがよく古い洋楽を聴いてたから。そこら辺ならちょっと分かるくらいかな」

('A`)「おーいいじゃん洋楽。俺も好きだぜ、江南スタイルとか」

(;^ω^)「あれを洋楽のジャンルに入れていいのかお?」

.

59名無しさん:2018/12/13(木) 16:16:45 ID:KAWaa8Kg0

ζ(゚ー゚*ζ「わあっ‼︎ 私、クルウ君の歌聴いてみたいな」

川; ゚ 々゚)「いや、精々口ずさむくらいだから下手だし。発音とかも適当だから」

ξ゚⊿゚)ξ「気にし過ぎよ、とりあえず歌う事。はい、決定。ほらデンモク」


全員が注目している中で歌わねばならないとは。どんな拷問なんだ畜生‼︎
こんな事なら流行りの曲を何曲か暗記しておくべきだった‼︎


川; ゚ 々゚)(し、仕方ない。歌うか。とは言え、しっかりと覚えてる曲は二曲だけなんだが)


僕にとって想い出深い曲は二つある。
もともと父さんが洋楽を好んでいたのは本当の話だ。
だが正直な話、僕は全く興味が無かった。
ろくすっぽ英語も喋れ無い癖して洋楽聴いてる奴なんて、唯のカッコつけ野郎にしか見えなかったからな。


川 ゚ 々゚)(だけど、あの日)


そう。運命の日だった。
僕が『彼女』と出逢ったあの日。

60名無しさん:2018/12/13(木) 16:18:27 ID:GzxqS3RE0
父さんがつけっぱなしにしていたCDラジカセから続けざまに流れていた二つの曲。
それだけはしっかりと覚えているんだ。

両方とも『彼女』の名前に、相応しい曲名だったから、ね。

今でも、思い出す。あの時を。



暗闇の中。
窓から照らす月明り。
僕は真っ赤に染まり。
彼女は聖母のように僕を見下ろす。
流れる音楽。
それは、この出逢いを。
祝福するようで。




慣れない機械に戸惑いながらも、悩みに悩んだ僕は、結局『彼女』の名前に『捧げなかった方』の曲を入力した。

こっちの曲だって、とても好きな曲ではあるし、『彼女』の『力』に相応しい曲名でもあるとは思う。

だが結局、僕はもう一つの。
あの、陰湿で、憂鬱で。
それでも妖しく、美しくて、艶かしい。
あの曲の名を彼女に捧げたのだった。


川 ゚ 々゚)(思えば、あの時から)


僕の人生が、ほんの少しだけ狂ってしまったようにも思える。
それでも、僕は。
彼女との出逢いだけは、決して。決して。

61名無しさん:2018/12/13(木) 16:19:49 ID:snend6hs0






川 々 )(後悔だけはしていない)





.

62名無しさん:2018/12/13(木) 16:24:13 ID:NT5ObSp60


〜〜〜♪


ξ゚⊿゚)ξ「あ、この曲知ってるわ」

(;'A`)「何だこのタイトル。英語あんま分かんねーけど、また物騒な曲名だなー」

川 ゚ -゚)「恐らくだがドクオが想像しているような意味のタイトルでは無いぞ。パッと見て勘違いするのは分かるがな」

( ^ω^)「おー! 名曲だおー‼︎」



周りの連中が何だかガヤガヤと騒いでいるようだったが、この時の僕は不思議なくらいに奴等の騒音がどうでもいいものに感じていた。
きっと、僕の心はその時、彼女との想い出に満たされていたからだろうな。



川 ゚ 々゚)「」



.

63名無しさん:2018/12/13(木) 16:25:11 ID:S1u.hAjU0


彼女は可愛いキャビネットに

モエ・エ・シャンドンを常に忍ばせている

みんなでケーキを食べません?

だなんてマリーアントワネットみたいなセリフを口ずさむ。

生まれつきのカリスマで

フルシチョフもケネディーだってなだめちまう

彼女からのお誘いは何時だって

断れる訳がないのさ

最高級のキャビアにシガーがお似合いで

礼儀作法も完璧で

彼女はまさに最上で最高の女性なのさ


.

64名無しさん:2018/12/13(木) 16:30:38 ID:D.jVVAiI0


川 ゚ 々゚)「She´s a Killer Queen」




彼女は『キラー・クイーン』

火薬かニトログリセリンか

レーザー付きのダイナマイトか

君の心なんか軽く爆破されちまうのさ

何時だってね?

その価値は充分にあるんだ

飽くことの無い欲望ってやつを

御賞味あれ?



.

65名無しさん:2018/12/13(木) 16:36:00 ID:D.jVVAiI0







すっかりと日が沈んだ帰り道。
僕の心は不思議なくらいに軽かった。
あの異星人共に付き合わされたのは癪だが、歌うという行為は想像以上に心地良いものだった。

休日に一人でカラオケに行ってみるのもいいかも知れない。


川 ゚ 々゚)(いや、『彼女』と二人きりで。だな)


僕は後ろを振り返る。
常日頃から人気の少ないこの裏道だ。勿論そこには誰もいなかった。
だが僕には分かるのだ。彼女が僕の事をしっかりと見守ってくれている事が。


川 ゚ 々゚)「〜♪」


気がついた時には僕は『あの歌』を口ずさんでいた。
ついさっき人前で歌わされた方じゃあ、無い。

彼女の『名前に捧げた』曲の方だ。

66名無しさん:2018/12/13(木) 16:39:13 ID:.zw/rAs20

川 ゚ 々゚)「……ッド……オー……ッド……♪」


『運命』から嫌われ、とことん不幸な目にあった今日という一日。
帰宅の時間はいつもよりずっと遅れ、両親にだって文句を言われた。

だが、不思議と穏やかな心で一日を終えられた気がする。



川 々 )(例えどんな狂った世界でも、『彼女』さえ居れば)



僕はいつもの習慣通り。
温かいミルクを飲んで、ストレッチを済ませる。
そして『彼女』に見守られながら、赤ん坊のように朝までぐっすり熟睡した。

67名無しさん:2018/12/13(木) 16:40:50 ID:fUp9rO7o0
続くと信じている。

68名無しさん:2018/12/13(木) 19:31:42 ID:NMEZKSPw0
たのむ

69名無しさん:2018/12/14(金) 23:12:47 ID:GK0lpjCc0
乙!
徐々にくるうの狂気?の片鱗が出てきたな

70名無しさん:2019/02/02(土) 21:00:25 ID:MlytWSNg0
続きが気になるな…

71名無しさん:2019/03/12(火) 16:04:22 ID:1OlyvDQE0
青春ギャグかと思ってたけどちょっと違うか
続き期待


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