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とある英雄譚のようです
85
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 23:10:53 ID:G.gIoQVo0
王城に存在する幾つかの独房に至るまでの地面が、
音もなくきれいさっぱり消失していた。
暗闇からゆっくりと歩き出てくるクール。男は、それをじっと待つ。
久しぶりの強い光に腕を掲げで光を阻む。
薄目を開けて臨んだ先に立つのは細身の男。
川 ゚ -゚) 「あなたが私を助けてくれたのですか……?」
('A`) 「……は?」
あまりにも斜め上にずれた彼女の第一声に対する男の返答は、短いものであった。
伏し目がちに放たれた言葉は、女性との付き合いをほとんど持ったことの無かった男が、
悪印象を持たれないため十数日間も使って考えてきた会話の内容を全部吹き飛ばした。
男の思考が停止しているうちに、
当番をしていた数十人の兵士と、王城に待機していた副騎士団長がすぐに現場に駆け付けた。
「何をしている。ここをどこか知っての狼藉か」
('A`) 「あ、あぁ……ちょっと待ってくれ」
動揺し取り乱したその姿は不審者そのものであったため、
兵士達は男に向けて槍を構えた。
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