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とある英雄譚のようです

81名無しさん:2018/04/22(日) 23:07:49 ID:G.gIoQVo0

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少女はずっと待っていた。
初めて父親に物語を読み聞かせてもらってから、既に十年も経過していたにもかかわらず。
疑うことなく、信じていた。

暴虐の限りを尽くす王を討ち取り、神話の化け物と対等の関係を築き、
あらゆる人間から尊敬され、誰よりも強く優しい。

そんな王子様が現れることを、ずっと待っていた。

川 ゚ -゚) 「……暇だなぁ」

大陸中央部に居を構える最大の国家。
多種多様な生物が存在するこの世界において、唯一の人間の国。
脆弱な体と、僅かばかりの魔力しか持たない貧相な生物。

そんな彼らが、強者ひしめくこの大陸で生活していけるのには一つの大きな理由があった。
かつて存在した大英雄アラマキ・スノウ。
その功績は異族の間でも幅広く知られている。

紆余曲折あり、彼が龍族の王妃と建国したのが、このスノウ国であった。
その国の首都にある王城の一室、小さな窓にまで鉄格子がはめ込まれた牢屋の中。
少女は部屋の雰囲気にそぐわない高級なベッドの上に座っていた。


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