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とある英雄譚のようです
8
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 20:51:31 ID:G.gIoQVo0
( ФωФ) 「…………」
深い溜息とともに煙を吐き出し、地面に落として残り火を踏み消した。
裸足であったにもかかわらず、熱を感じた素振りは見せない。
僅かな煤の後を残し、男は森を望める高さまで助走無しで飛び上がる。
「捲れっ!」
突如響き渡った叫び。
その言葉に内包された精霊術が老人の周囲へ顕現する。
出口の無い風圧の檻が男を包み込んだ。
形がはっきりと見えるほどの激しい乱流。数十秒もの間、空気の塊は唸り続けた。
局所的な嵐が止んだ時、中に閉じ込められていたはずの男は、
何事もなかったかのように胡坐をかき、両腕を組んで何かを待っていた。
「輝けっ!」
森から迸った閃光が空を埋め尽くした。
太陽すら見えなくなるほどの強烈な光。
( ФωФ) 「ほう……面白い」
視界を塞がれてなお余裕を崩さない男。
光が収まった時、男が立っていた空間には一寸先すらも見えない霧が立ち込めていた。
驚いた顔をしながらも、襲撃者たちはあらかじめ用意していた次の一手を放つ。
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