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とある英雄譚のようです

450名無しさん:2018/05/04(金) 00:56:09 ID:GoNX5bS20

五年前の戦いは、彼女たちに多くの者を失わせた。
それでいながら、世界は戦いに赴く前と全く変わり映えしない。

奪う者と奪われる者がいて、与える者と与えられる者がいて、
優しさと憎しみとが、喜びと悲しみとが、何もかもが複雑に入り混じった世界。
常に移り変わる風景はまだら模様のように。同じ日は一日たりとてこない。
そんな日常を、彼女たちは喪失感と共に受け入れていた。

「……俺が余計なことを言ったせいだろうな」

偽っていればというのがドクオの後悔。
娘が自分を犠牲にする覚悟を決めたのは、自身の言葉のせいだったのだと。
胸にぽかりと空いた喪失感を、年月が埋めてくれることは無かった。

川 ゚ -゚) 「私だって手を掴んでいればと思うさ。
      だが、残ることを選んだあの子を連れてくることは出来なかっただろうな」

「キュートが残った意味は解ってる。
   彼女がこの時代に存在していれば、
   俺たちの娘が生まれた瞬間に、因果の収束に飲み込まれて消えてしまうからだ」

川 ゚ -゚) 「私たちは子供を産まないことを選択していたかもしれないし、
      何かしらの魔術でこの世界の法則を歪めていたかもしれない。
      あの子は、それを防ごうとした」


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