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とある英雄譚のようです

42名無しさん:2018/04/22(日) 21:20:42 ID:G.gIoQVo0

どれほど待っても、その実は落ちてこない。
彼女にとって短くない時間が過ぎ、それでも果実には何ら変化は無い。
時折大きな欠伸をしていた少女は、大樹にもたれたままついに眠ってしまった。、

o川*゚ー゚)o 「…………!!」

突如目を覚ました少女は、ふらふらと立ち上がった。
その瞳の端に浮かんだ大粒の涙を指先で拭う。

o川*゚ー゚)o 「なに……これ……」

指先に乗っかった滴を見つめる。
そこには、歪んだ自身の顔が移るだけで他には何もない。

o川*゚ー゚)o 「…………」

無言でそれをはらい、彼女は転がっていった果実に目をうつす。
大樹の向かいにある白の十字架の足元。
赤みがかった実に引き寄せられる思いで、少女は十字架の目の前で立ち止まった。
そこまで歩いたところで、少女の興味はすべて別のものに向けられることになる。

o川*゚ー゚)o 「っ!」

少女が感じ取ったのは、得体のしれない冷たさ。
十字架そのものではなく、その中心部にかけてある宝石。

o川*゚ー゚)o 「何……?」

吸い込まれるように、少女は黒い宝石に触れた。


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