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とある英雄譚のようです

3名無しさん:2018/04/22(日) 20:47:43 ID:G.gIoQVo0

o川*゚ー゚)o 「……!!」

今度は明確に腕を引き戻した。
空いていた反対側の手が、伸ばした腕を掴んでまで。

o川*゚ー゚)o 「……」

杖に触れる事はできないのだと彼女は理解したのだろう。
屍の周りをうろうろと歩き回る。
暫くして疲れたのか、彼女は歩くのをやめて屍に寄り添うように座り込んだ。
指が汚れるのも構わずに、地面の土をほじくり返す。

o川*゚ー゚)o 「…………〜〜〜」

歌というにはあまりにも稚拙。歌詞は無く、音程もばらばらである。
それでも、彼女は楽しそうに笑いながら歌う。
ひとしきり同じフレーズを繰り返した後、少女は寝そべって空を見上げる。
一陣の風が通り抜けて、その長い髪を波打たせた。

o川*゚ー゚)o 「……」

ふと何かを思い出したかのように彼女は両目を見開き、左右に首を振る。
そのどちらにも、荒涼とした赤黒い大地が遥か先まで続く。
起き上がった彼女は、しっかりとした足取りで腐った幹の目の前まで歩み寄った。

o川*゚ー゚)o 「……?」

首をかしげる少女。
まるで、その場にいる誰かと話しているかのように。
その所作は少女の年齢と不釣合いなほどに幼い。
朽ちた樹木を見上げ、じっと見つめる。

少女は暫くしてから、緩慢な動作で持ち上げた右手でその幹に触れた。


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