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とある英雄譚のようです
248
:
名無しさん
:2018/04/24(火) 17:22:20 ID:JZ..YL360
大気中に拡散した魔力の奔流がヒッキーの短杖へと流れ込み、
複雑な魔術を幾重にも組み上げていく。
同時発生した空間の歪みの中で加速し続ける魔術は、
光すらも飲み込む暗い穴となって砂漠そのものを吸い込んでいく。
('A`) 「馬鹿やろ……無茶しすぎだ……スライサ!」
ドクオの放った極薄の刃は、次元の歪みごと切り裂いて進む。
単調な風の魔術を何百回と重ねたそれは、
龍属の首すらも容易く削ぎ落すほどに鋭い。
ものの数秒でヒッキーの魔術の根幹に達し、それを破壊した。
(-_-) 「……」
('A`) 「レタリア、渡してもらえるか」
(-_-) 「ああ……」
自身の扱う最大威力の魔術すら容易に砕かれたヒッキーは、
呆けた表情で左腕の袖を捲った。
そこに記された印に右手の指をあて、魔力を込める。
指の動きに合わせて浮かび上がった印をドクオの腕に移した。
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