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とある英雄譚のようです

153名無しさん:2018/04/24(火) 11:57:57 ID:JZ..YL360

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雑多な植物が生い茂った道もない森の中、少年はひたすらに走る。
逃げるために。道なき道を真っ直ぐに。
木々を薙ぎ倒し、草葉を踏み潰し。

(#・∀・) 「ああああっ!!!」

怒りに任せて発した叫びが、森を穿つ。
それと同時に、少年を中心に半径数メートル分の付近の植物が分解された。
出来上がったばかりの道を駆け抜ける。

(#・∀・) 「っ……! くそくそっ……! 」

どれだけ走ろうと、どれほど逃げようと、脳裏に浮かぶのは得体のしれない呪術師の男。
その見た目は村中で噂されていた通りの黒いスーツに白のネクタイ。
白の帯が巻かれたシルクハットを目深に被り、
その手に持つのは宝石の埋め込まれた歪なステッキ。

あまりにも不気味で一目見れば二度と忘れることは出来ない。
死神をも驚かせるような恰好の男は、獣の使い手達の間では有名な要注意人物。
敵国の保有する最強の戦力であり、獣の使い手に取っては死の象徴である。

そんな男が自陣の最奥に突然現れ、告げられた父と母の死。
男の纏う雰囲気にのまれた少年に、言葉の真偽を疑う余地などなかった。


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