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とある英雄譚のようです
124
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 23:48:42 ID:G.gIoQVo0
老狼エストは少女目掛けて、飛び込んだ。
力強い踏み込みは大地を砕き、大気を貫く。
およそ肉眼ではとらえられない速度に対して、クールは一歩も引かなかった。
その半歩先の足元から打ちだされた魔力弾に、天剣の切っ先を向けたクール。
迫り来る命の危機を畏れずに瞼を閉じ、暗闇の世界に飛び込む。
<_プW゚)フ 「っ……」
華奢な身体を引き千切ろうと大口を開けていたエストは、
直前にさらにもう一歩踏み込んでクールを飛び越えた。
川 ゚ー゚) 「どうした」
剣を構えたままのクールは、何一つ動作を行っていない。
防衛魔術を組むことも、攻撃魔術を唱えることも。
その命を奪うはずだった一撃を、止める必要などなかったはずなのに。
<_プW゚)フ 「ちっ……」
質問には答えない。否、答えることができない。
攻撃を躊躇った理由は、エスト自身が最も疑問に思っていたことだからだ。
川 ゚ -゚) 「お前はこの剣を恐れたんだ」
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