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とある英雄譚のようです

118名無しさん:2018/04/22(日) 23:44:12 ID:G.gIoQVo0

クールの攻撃手段は、あの日から変わらずたった一つ。
だが、かつてよりも洗練された武器。

超高密度の魔力で創造した光の剣は、
触れるものを悉く断ち切る単純な力の塊。

三年以上の歳月が彼女に与えたのは、魔力剣をただ振り回す以外の運用。
七つの剣がクールの後背に現れ、そのうちの六つが流星のようにエストへと奔った。
放たれた剣にも劣らない速度で喉元を狙うクール。

<_プW゚)フ 「その程度かっ!」

エストは一喝して、前足の一振りで飛来する剣を薙ぎ払う。
その後に続いたクールの刺突は、額の先で見えない壁に防がれた。

川 ゚ -゚) 「ほう」

<_プW゚)フ 「力を出し惜しみしている余裕はない筈だ」

エストの遠吠えと共に、灰色の魔力が無差別に森の中を切り裂いた。
あまりにも広範囲で強力な一撃は、クールを魔力防壁ごと刻んだ。
傷だらけの姿で剣を杖にしながら何とか立つクール。
純白のドレスのあちこちに血を滲ませながら。


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