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('、`*川魔女の指先のようです
94
:
名無しさん
:2017/12/25(月) 21:54:07 ID:ZLy5QeVs0
市場から五分ほどで到着したド・ゴールの前にはオープンテラス形式の席が並び、観光客や地元の老人達がそこで優雅な一時を過ごしていた。
コーヒーの香りが辺りに漂い、何とも言えない気持ちになる。
店内の席を利用する人はあまりおらず、やはり青空の下の解放感を求める人間が多いことを意識してしまう。
誰もがこの平和な一時を楽しんでいる中、ハインリッヒだけはいたたまれない気持ちになっていた。
自分達はこの一時を壊してしまうかもしれないと考えると、罪悪感が鎌首をもたげて心の裏側を刺激してくるのだ。
从 ゚∀从「アイスコーヒーを一番大きなサイズで、砂糖は大目にしてください」
普段、ジュスティアの支店で注文しているのと同じ物をレジの女性店員に伝える。
本来であればコーヒーはカフェインを含んでいるため、その作用を考えて作戦中は飲まない方がいいと推奨されているが、今回はそれを無視した。
「かしこまりました。
席はいかがされますか?」
从 ゚∀从「外の席にします」
金を払い、番号札を受け取って店の外に行く。
しかし、先ほどまで空いていた席には別の人間が座っており、空席はどこにもなかった。
テラス席でコーヒーを飲むには、相席しかない。
札を片手に店内に戻るかどうか思案していると、すぐそばの席から声がかけられた。
('、`*川「よろしければ、こちらに座りますか?」
それは若い女性の声だった。
驚いて振り向くと、長く美しい黒髪と鳶色の瞳を持った女性が微笑を浮かべて椅子に腰かけていた。
垂れ気味の目は安心感を与えるのと同時に、妖艶な雰囲気を醸し出している。
歳はハインリッヒよりも一回り程年下だろうか、正確なところは分からない。
湯気の立ち上るコーヒーを飲みつつ、読書をしている姿は一枚の絵画を思わせた。
从 ゚∀从「……すみません、ありがとうございます」
せっかくの申し出を断るよりも、彼女から何かの情報が聞ければ御の字だと思い、それを甘んじて受けることにした。
椅子を引いて彼女の向かい側に座る。
从 ゚∀从「この島に来たばかりで不安だったので助かります。
私はハインリッヒです」
自己紹介を兼ねて、ハインリッヒから話を始めた。
年下とは思えないほどの落ち着きぶりを見せる目の前の女性は、僅かに驚いた風に眉を上げた。
読んでいた本に栞を差して閉じ、魅力的な笑みを浮かべた。
('、`*川「あら奇遇ですね、実は私もなんです。
私はペニサス、ペニーで結構です」
从 ゚∀从「よろしく、ペニーさん」
('、`*川「こちらこそ、ハインリッヒさん」
どちらともなく手を差し出し、軽く握手を交わす。
理由は分からないが、ハインリッヒはペニーとどこか似ている部分があると感じ取り、親近感を覚えた。
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