したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

('、`*川魔女の指先のようです

72名無しさん:2017/12/18(月) 20:47:19 ID:/.UYpKWU0
使用用途は分からないにしても、事件と無関係とは思えない。

「棺桶持ち(注:強化外骨格を使用する人間の事)がこの島にいるなんてのは初耳だな。
本部に報告は?」

('、`*川「まだです。
     この後、長距離無線をお借りしてもいいですか?」

「勿論だ。
それで、棺桶の種類は?」

('、`*川「ジョン・ドゥです。
     カスタム機ではありませんでしたが、使い慣れている人間の動きでした」

種類によっては所有者を特定出来るのだが、ジョン・ドゥは最も世界で使われている強化外骨格であるため、所有者などの判別は不可能である。
軍に属する機体ならマーキングや所属を表すエンブレムが貼ってあるが、ペニーが見た限りでは手がかりになりそう物は一つもなかった。
特徴的な改造もなく、まさに名無しの男に相応しい姿だった。

「知っていると思うが、この基地には棺桶がないんだ。
もしまた戦闘になるようなことがあれば、徹甲弾を使うしかないな」

ジョン・ドゥの装甲は、頭部を除けば爆風にも耐えられるよう設計されている。
銃弾でその装甲を貫くためには、徹甲弾や対物ライフルのような大口径の物を使わなければならない。
頭部に限って言えば、執拗に鉛弾を当て続ければいずれは貫通出来るが、その前に決着をつけるのが棺桶なのだ。
手持ちのグロックだけでは正直なところ、もう一度ジョン・ドゥに襲われたら対応できない。

('、`*川「SVDの徹甲弾はありますか?」

「いや、ここには置いていない。
レミントンのならあるんだが……」

('、`*川「では、その弾薬についても本部に伝えておきます」

レミントンは海兵隊で正式採用されている狙撃銃であり、当然その弾薬の種類は豊富に在庫がある。
装備の共通化はそうした点で見ても非常に優れており、軍全体の質を向上させる要因の一つでもあるが、ペニーはボルトアクションの銃を全く使う気になれなかった。
ボルトアクションは装填と排莢を手動で行う代わりに精度が高いが、軍務に於いてそこまで非常に精密な狙撃を要求されることはない。
要は当てて殺せればいいのだ。

無論、精密狙撃が求められることはあるが二発目の発射にかかる時間と手間を考えると、セミオートマチックの銃の方が実戦的である。
特に、戦場ではどれだけ速く次弾を相手に撃ち込めるかで生死が分かれる。

その他の情報についても連絡を済ませたペニーは指令室を後にし、もう一つ上の階にある通信室に向かった。
通信室のある三階は建物の中でも取り分け頑丈に設計されており、四方を強化コンクリートの壁に囲われた空間で、
日中は壁の上に付いた強化防弾ガラスから差し込む淡い光がまるまる一フロアを通信室と化した部屋を照らし出すため、
電気が点いていない時間帯には通信機器の発する人工的な光が室内を賑やかに彩った。

この規模の基地に対してこれだけ巨大な通信室を設けているのは、遥か離れた地にあるイルトリアへの傍受不可能な無線通信を可能にするための設備がそれだけの大きさを必要としているためだ。
広々とした通信室には誰もいなかったが、無線機の使い方は分かっているので問題はない。
巨大な無線機のスイッチを入れ、ジュスティアなどの街に傍受されることなくイルトリアとの通信を行うために周波数を合わせて、ヒートに通信を繋いだ。
砂嵐のようなノイズが続き、しばらくしてノイズ交じりのヒートの声が聞こえてきた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板