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('、`*川魔女の指先のようです
51
:
名無しさん
:2017/12/18(月) 20:01:59 ID:/.UYpKWU0
第二章 【茨の道】
?
八月七日早朝にティンカーベル沖で起こった密漁船撃沈のニュースは、関係している街に大きな波紋を産んでいた。
ティンカーベルは言わずもがなだが、船を沈めたイルトリア、そして船の乗組員の出身地であるジュスティアの三つの街だ。
開け放たれた窓から入り込む空気は生ぬるかったが、イルトリアの市長室に漂う空気は真冬のそれよりも冷え切っていた。
マホガニーの机を囲むようにして座るのはフレームレスの眼鏡をかけたクルーカットの偉丈夫、海軍大将アサピー・クリーク。
その隣に並ぶ巌のような体と険しい顔をしたコーヒー色の肌を持つ男は、陸軍大将セント・ウィリアムス。
セントの向かい側には彼とは対照的に、色白の肌に軽くウェーブのかかったビターショートの髪型をした海兵隊大将ヒート・ブル・リッジ。
そして彼女の隣に座る傷だらけの大男が、イルトリア市長のロマネスク・アードベッグだ。
最初に口を開いたのはこの部屋の主にしてイルトリアを統括する市長、ロマネスクだった。
( ФωФ)「で、向こうの言い分は?」
(-@∀@)「当初と同じく、領海侵犯はしていない、の一点張りです」
バインダーに挟んだ手元の資料を見ながら淡々とした口調で答えたのは、今回の事件の責任者であるアサピーだ。
海軍が処理した事案についての報告は仔細漏らさず彼の耳に入っており、事が大げさに騒がれ始めてからマスコミへの対応も彼が一貫して行っているため、新たな情報は全て彼の元へと集約されている。
(-@∀@)「また、今回の攻撃はジュスティア市民の命を奪った卑劣な行為であり、世界的に見ても異常な行動である。 と」
確かにジュスティア市民の命は奪っただろうが、それが問題なのではない。
問題となる点は、別にある。
ロマネスクは深く溜息を吐くようにして、市長としての意見を述べた。
( ФωФ)「奴らがそう言ってくるという事は、本気でそう信じているんだろうよ。
だがな、奴らは確かにティンカーベルの海域で攻撃を仕掛けてきた。
沈没した場所がぎりぎりジュスティア沖だろうとな」
問題なのは船が沈んだ場所だった。
不意の発砲に怯んだ隙に密漁船はジュスティア領に入り、そこで撃沈された。
ジュスティアが問題としているのは正にその部分で、密漁船の船員達はジュスティアとティンカーベルの海域の狭間で漁をしていただけで、密漁には一切関わっていないという主張だった。
海の藻屑と化した船の残骸はジュスティアによって引き上げているが、あまりにも損傷が酷く確たる証拠となるような物は見つけられそうにもない。
肉片と化した船員の素性はあくまでも漁師としての肩書であり、密漁者としての報告は一切ないというのがジュスティア側の報告だった。
しかし、イルトリアの軍艦が攻撃を受けたのは間違いなくティンカーベル領であり、彼らが領海侵犯をしたのは紛れもない事実だ。
ジュスティアの気質を知っているロマネスク達からすれば、彼らが一貫して主張を曲げないという事はそう信じ切っていて、それは決して曲がらない事を理解していた。
ノパ⊿゚)「なら、やるべきことは明白だろうよ、市長殿」
顔の大部分に酷いケロイドの跡を残すこの場に同席する唯一の女性にして海兵隊の頂点に君臨する女傑、ヒートが溜息交じりに発言した。
ノパ⊿゚)「幸いなことに、英雄狂共(ジュスティア)はこちらを糾弾している段階。
ならば先手を打てる。
この好機を逃す手はあるまい?」
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