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('、`*川魔女の指先のようです

270名無しさん:2018/01/08(月) 07:35:42 ID:WgoVE2mI0
( ФωФ)『冗談でこんなことを言うと思うか?こちらの裏切り者がそっちの裏切り者に情報を流しているから、今島で人狩りが始まっているんだ。
      まさか、狙撃手に関する情報源が島民と言うんじゃないだろうな?』

正に彼の言う通りだ。
得た情報は匿名の情報源から流された物であり、自力で掴んだものではなかった。
情報は内部に精通している者でなければ分からないようなことまであり、確かに、内通者が流したと考えるのが自然だった。
この短期間でこちらの動きや情報を把握したイルトリア軍の手腕には驚かされるが、それでもそう簡単に認めるわけにはいかない。
ブラフという事もあり得るのだ。

爪'ー`)「……貴様に教える義理はない」

( ФωФ)『お前がこの戦争を続けたいのならばそうすればいいが、少しでも島民の機嫌を取りたいのならばもう止めることだ。
       この話に乗るというのなら、他の情報も分けてやるし、もう一ついいものをやろう』

爪'ー`)「三分だけ考えさせろ」

フォックスは机上のスイッチを押し、秘書を呼び出した。
すぐに扉を開いて入ってきた秘書は漂う雰囲気からただ事ではない事を察し、次に市長が望むものを急いで用意した。
大きなマグカップに並々と注いだエスプレッソだった。
それを受け取り、フォックスは秘書を部屋から追い出した。

湯気の立つそれを一口飲み、慎重に言葉を選ぶ。
答えは決まっていたが、すぐに返答しては相手になめて見られる。
それだけは駄目だ。
今後の事も考え、彼は発言する義務がある。
腕時計を見て三分三〇秒が過ぎた時、ようやく口を開いた。

爪'ー`)「聞いてやる」

______________________∧,、___
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V`´ ̄ ̄

かつてその土地は、世界最強と名高いイルトリア軍が駐屯する基地だった。
今はジュスティア軍が駐屯する基地になっていたが、以前とは似ても似つかないほどに荒れ果てていた。
巨大なクレーターが基地の中心に広がり、周辺の床や建物には焼けた跡が残っている。

砕けたガラスが今なお放置され、血痕も残されていた。
かつての繁栄は見る影もなく、そこにあるのは敗残兵の基地だった。
漂う空気は軍事基地独特の緊張した物に加えて、野戦病院に蔓延している陰鬱な空気と同様のものがあった。

基地内の警備を行う兵士は格段にその数を減らし、多くの兵士が街に派遣され、残った少数の兵は兵舎で待機をしていた。
基地を守るよりも狙撃手を見つけた方が建設的だという陸軍大将の判断によるもので、多くの兵士がその意見に同意した。
狙撃手が街に逃げ込み、姿を消してから十二時間以上が経過していた。

それは、すでに島の外に逃げてしまった可能性を高めたが、狙撃地点を確保したために沈黙しているとも考えられた。
狙撃手によって大打撃を受けた反省から、砲兵隊達は野戦砲を引き下げ、砲弾は屋根の吹き飛んだ黒焦げの倉庫に運び入れた。
武器保管庫の倉庫も、狙撃手によって破壊されていた。


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