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('、`*川魔女の指先のようです
263
:
名無しさん
:2018/01/08(月) 07:29:38 ID:WgoVE2mI0
しかし、環境が彼の敵となった。
水中から放った銃弾は弾道が歪み、高性能な強化外骨格の計算能力をもってしても正確な射撃情報を導き出せなかった。
何より最悪だったのは、後に分かった事だが、銃腔にゴミが付着しており、それが更に弾道を歪めたことだ。
彼の放った弾丸はペニサス・ノースフェイスを殺すには至らなかったが、負傷させることは出来た。
それだけだった。
それで終わりだった。
ペニサスがどこにいるのか。
どのような状況なのか。
何一つ分からない。
血を残して彼女はどこかへと消えた。
代わりに二つの死体が増えた。
こそこそと鼠のように嗅ぎまわっていたジョルジュ・ロングディスタンスとハインリッヒ・サブミットの死体だ。
死んでもらった方が好都合な種類の人間だったが、何故、この厄介者二人が死んだのか。
調べによると、ハインリッヒの死体から発見された銃弾はジョルジュの銃から発砲された物だという。
更に、ハインリッヒは雨の中何故かポンチョを着ていなかった。
ジョルジュを殺した銃は見つかっていない。
奇妙さが際立つ殺しの現場だった。
極めつけは砲兵隊の砲弾を狙い撃ち、大爆発を引き起こしたことだ。
あれによって基地の大部分が被害を受け、兵舎も割れていない窓ガラスは一つもなかった。
不幸中の幸いなことに砲弾が兵舎から離れていたこともあり、建物が倒壊することはなかったが、多くの人間が傷つき、備品の多くが破損した。
もう一つ、彼の頭を悩ませる問題があった。
協力者であるフランシス・ベケットの行方が分からなくなっている。
彼を殺そうと送り込んだ兵士からの連絡が途絶え、死体として発見されたのだ。
流石はイルトリア軍の人間だと称賛を送るべきだろうが、彼の行方を辿れないとなると、いつこちらに反旗を翻してくるか分かった物ではない。
こちらがそうしたように、彼もまた、こちらに牙を剥いてくることだろう。
そうなる前に潰そうとしたが失敗した以上、別働隊を組織して処理する他ない。
彼に生きられていると厄介だ。
彼は死人なのだ。
生きていることが誰かに知られてしまえば、計画が破たんしかねない。
決して、彼一人の利益のためではなく、世界そのものに関わる大きな利益のための計画が彼にはあった。
テックスは正義の体現であるジュスティアを取り戻したい一心で、この戦争を引き起こした。
世界にはバランスという物がある。
善と悪。
光と影。
世界中に暴力が蔓延しているこの世界で人が人であるためには、ルールが不可欠だ。
街毎のルールではなく、世界共通のルール。
即ち正義の存在が必要だ。
世界中にいる警察官達は契約に基づき、その街のルールを守らせるために派遣されているに過ぎない。
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