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('、`*川魔女の指先のようです

252名無しさん:2018/01/07(日) 22:10:07 ID:9ft78oqo0
銃声と共に、ペニーの左肩に焼けるような痛みが走った。
衝撃で背中から倒れ込み、手を肩に当てた。
生暖かい液体が溢れ出し、すぐに彼女の手を赤く染めた。
手さぐりで弾が貫通していることを確認し、痛みに顔を歪める。

相手は水中に隠れ潜んでいた。
水中からの射撃は人間の行える技ではない。
つまり、水中に潜んでいるのは強化外骨格を身につけた人間。
ペニーの標的だった。

水の抵抗で弾道が変化していなければ、ペニーの頭は今頃ザクロの様に爆ぜていただろう。
銃火を見た約50メートル先の水路に向けて、ペニーは無意味と知りながらもグロックの九ミリ弾を撃ち込みつつ、倒れたままの状態で後退した。
ほぼ直線の道に来てしまったのが運の尽きだった。
どうにか安全な場所に逃げ込み、止血を施さなければ場所的な問題から感染症にかかる可能性があった。

下水道からの一刻も早い脱出が必要だった。
地上に戻るための梯子を見つけたが、それを上れば格好の標的になってしまう。
ペニーは追い詰められていた。

('、`;川「……糞っ」

二発目の銃声が響き、ペニーのすぐ隣に着弾した。
銃火の位置は変わりがほとんどないように見えた。
ペニーは胸の上にあったドラグノフを構え、闇に向けて発砲した。
水柱が立ち、何かに命中した様には見えない。

続けて弾丸を下水に向けて撃ち続け、薬室の中に一発だけ残った状態でそれを止めた。
応射として二発、今度はペニーの右膝の肉を削ぎ取った。
発射間隔からしてボルトアクションに違いなかった。
水中でボルトアクションライフルを使う利点は何一つない。

むしろその気密性の問題から、水中での再装填はご法度のはずだ。
ならば、再装填をする際には必ず水上に姿を現すはず。
ペニーはそのチャンスに賭けることにした。

激しい水流の中で安全に再装填をするためには、銃だけでなく体も浮上するはずだ。
狙いを固定させ、ペニーは機会を待った。
黒い影が波立つ水面から浮かび上がり、十字線が重なった瞬間、ペニーの指は銃爪をそっと引き絞っていた。
影はそのまま水に沈み、二度と浮かび上がることはなかった。

弾倉を取り外し、ライフルケースから新たな弾倉を手に取る。
それが最後の弾倉だった。
回収すべき二挺目のライフルは、強化外骨格と共に下水に沈んでしまっている事だろう。
諦める他なかった。

ここで下水に飛び込めば、間違いなく傷口から細菌や雑菌が侵入し、ペニーの命を脅かすだろう。
ライフルケースにある一挺のライフルが手に入っただけでも良しとすべきだった。


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