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('、`*川魔女の指先のようです
248
:
名無しさん
:2018/01/07(日) 22:06:25 ID:9ft78oqo0
誰もその意見に反対しなかった。
上官としてかけられる情けは限られている。
そもそも、作戦に私情を持ち込むこと自体が過ちなのだが、裏切り者が裏切った理由を考えると、情けの一つがあっても誰も咎めなかった。
そして、中途半端に夢を見せたままではなく、夢を終わらせることこそが情けだった。
(-@∀@)「夢は、潔く潰します」
アサピーが短くその覚悟の意志を宿した言葉を述べ、ヒートが挙手の代わりに肩を竦めた。
ノパ⊿゚)「救出部隊については賛成するが、夢を潰すというのであればそれは難しいと思うな、アサピー。
私の部下は今、一人で軍隊を相手に戦っている最中だ。
そう考えるとあの男は今、夢見心地だろうよ」
(-@∀@)「……確かに、そうだろうな」
四人は手元の資料に改めて目を向けた。
裏切り者の厳めしい顔写真が、四人に決断を迫るようにして睨み付けていた。
______________________∧,、___
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ペニサス・ノースフェイスは裏切り者について、ある程度の予想をすることが出来ていた。
彼女の元に揃った情報は少なかったが、その情報を特定の人物に結び付けるのはそう難しいことではなかった。
彼女のライフルケースに発信機を仕込み、彼女の情報をジュスティア軍に流し、ジュスティアの動きを読んでそれを伝えられる立場にある人間となると、後は消去法で導き出せた。
光学式照準器越しに街を眺めるペニーは、その人物がグルーバー島のどこかに潜んでいると考えた。
仮に自分が相手の立場であれば最前線に赴き、必要な指示を出すために戦況を観察していたい。
それに、その考えは彼女の考える裏切り者も同じであるはずだった。
その人間はこの島にいる。
その人間は、ペニサスもよく知る人物なのだ。
最前線で動きを知り、その動きに合わせて情報を流し、彼女が取る動きを予測して流布するはずだった。
自らの死を偽装し、基地にいた人間を爆殺した人間は慎重な性格でありながらも、大胆な決断力を持ち合わせる人間だった。
イルトリア海軍准将、フランシス・ベケットとはそういう人間なのである。
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フランシス・ベケットは夢見心地だった。
彼は今、望んだ以上の成果が得られたことに満足を感じ、充足した気持ちでコーヒーを飲んでいた。
オバドラ島からグルーバー島のホテルに移り、開け放った窓から外の空気を部屋に取り込み、自らの肺を満たした。
雨の匂いに交じって、硝煙の香りが鼻孔をくすぐる。
戦争の匂いだった。
彼が愛して止まない匂いだった。
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