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('、`*川魔女の指先のようです

247名無しさん:2018/01/07(日) 22:05:42 ID:9ft78oqo0
犬猿の仲であるはずのジュスティア軍人とイルトリア軍人が裏で手を組み、混乱を引き起こすには、それ相応の理由が必要になる。
大義名分と言い換えてもいい。
その理由はあまりにも荒唐無稽であり、子供じみ、そしてあまりにも純粋すぎた。

(-@∀@)「強すぎる忠義心が毒になったというわけです」

ヒートが何かを言うよりも先に出てきた海軍大将アサピー・クリークの言葉は、その場の全員を沈黙させるには十分だった。
彼の言葉には重みがあった。
常人では声だけで命の危険を感じるほどの怒りを孕んだその声は、地の底で沸き立つマグマの様な熱を帯び、彼の意志が目に見えるのではないかと錯覚させる力強さがあった。
裏切り者は彼の海軍にいたのだから。

しかしながら、推測されるその理由は極めて純粋であるが故に、怒りの矛先を向ける先が思い浮かばなかった。
裏切り者が目指した物、欲した物は混沌などではなく、もっと分かり易い子供じみた夢のような物だったのだ。
子供の夢を大人が笑い飛ばせないのと同じように、彼ら上官もまた、その狙いを笑い飛ばすことが出来なかった。
アサピーは裏切り者を全面的に信頼し、信用していた。

数多の作戦で功績を残し、部下から慕われ、上官からも一目置かれるその男は、アサピーにとっては身分の違う親友の様なものだった。
彼は裏切り者の事をよく知っていた。
その純粋な心もよく知っていた。
彼はイルトリアを裏切ったのではなく、イルトリアを想うあまり凶行に走ったのだ。
それが分かっているからこそ、アサピーはやり場のない怒りを感じていた。

ノパ⊿゚)「市長殿、どうする?」

ヒートがロマネスクを見る。
ロマネスクは資料に目を落としたままだった。
陸軍大将のセント・ウィリアムスが厳かな声で意見を口にした。

(’e’)「その前に、アサピーの意見はどうなんだ?」

セントの言葉でようやく、ロマネスクがアサピーの顔を見た。
アサピーは十分に時間をかけ、ゆっくりと、説き伏せるようにして言葉を紡いだ。

(-@∀@)「……救出部隊を派遣してはもらえないだろうか」

( ФωФ)「……どういうことだ、アサピー?何故、救出部隊なのだ?」

(-@∀@)「市長、あの男は確かに愚かな事をしています。
      あの男の夢をここで終わらせるためには増援でなく、救出部隊が必要になります。
      増援はむしろ彼の目的そのものです。
      戦闘をすることなくペニサス一等軍曹を救い、彼女の証言を得ることで、全面戦争の回避をするのが得策です」

( ФωФ)「私情か?」

間髪入れずにロマネスクがアサピーの内心を見抜いたように言葉を挟んだ。

(-@∀@)「上官としての情けです」


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