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('、`*川魔女の指先のようです

236名無しさん:2018/01/07(日) 21:54:10 ID:9ft78oqo0
警鐘は基地にまで届き、そこに待機していた全ての兵士が完全装備で行動を開始した。
砲兵隊は市街地であるために最小限の兵士が待機を命じられ、それ以外の全員がトラックの荷台に乗り込んで街に向かった。
最初の銃声から一五分後、街は戦場と化した。
魔女狩りが始まったのだ。

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ペニサス・ノースフェイスはゲリラ戦の基本を心得ていた。
バイクで街中に乗り付けた彼女はそれを路地裏に隠し、そこから離れた場所の建物に身を隠すことを選んだ。
古いレンガ造りのその建物は三階建てと高く、一階は商店として使われていたが、正面のシャッターは降ろされ、営業はしていなかった。
裏口に回り込み、非常階段を上って三階まで行き、そこから屋上によじ登った。

三階と言う高さはさほど優位に働かないが、山に近いことから勾配の関係で街を見下ろすことの出来る絶好の観測場所だった。
貯水タンクが一つと出入り口が一か所あるだけの屋上だが、狙撃をするのに問題はなかった。
貯水タンクを背に、ペニーは準備を進めた。

アサルトライフルの銃床を元に戻し、それを地面に置いた。
ライフルケースからドラグノフとその弾倉を取り出した。
その弾倉には対強化外骨格用の徹甲弾が入っており、長距離狙撃にも使えるという利点があった。
マンストッピングパワーが少ないが、急所に当てれば絶命させられる威力がある事に変わりはない。

膝立ちになってライフルを構え、街中に入ってきた軍用トラックの運転手に狙いを定めた。
距離は一キロ強。
上下に動き、更には近づいてくる標的。
遠ざかる敵よりも近づいてくる方が厄介なのは言うまでもないが、ペニーは決断の速さが成功の鍵になる事を知っており、銃爪は正確なタイミングで引き絞られた。

反動、そして飛び散る血飛沫がスコープの向こうに見えた。
トラックは速度を上げて建物に突っ込み、大きな音を立てて横転した。
慌てて人間が荷台から降りてきたところで、その肺を撃ち抜いた。
続いて、ペニーはその狙いを動かし、別方向から迫るトラックを見つけた。

トラックはペニーから見て左から右に向けて走り、建物の影から一瞬だけ姿を見せていた。
距離は九〇〇メートル程。
速度は時速五〇キロ以上。
銃腔を右に動かし、タイミングを計って撃った。

次の一発は運転手と助手席の人間を同時に貫き、瀕死の運転手がハンドルを握ったままの状態で倒れ、トラックは民家に激突した。
血に濡れた顔の男が憤慨した様子で荷台から降りて来たため、その胸にあった手榴弾を狙い撃った。
男は文字通り爆ぜた。

すぐに姿を貯水タンクの影に隠し、狙撃手の反応を待った。
相手が一流ならば、こちらの位置を把握することは造作もないはずだ。
だが、互いに優れた狙撃手としての認識があれば、その裏をかくことが出来る。
狙撃手が一度使った狙撃地点に居座らないというルールを、ペニーはあえて破ることにした。

すでに四発発砲したとなれば、発砲場所は誰かに目撃されていても不思議ではない。
そして、それは瞬く間に軍人間で共有され、ペニーの移動経路を予想し、次の射撃に向けて屋上などに注意を払うはずだ。
そして、狙撃手は視界を確保できる場所に移動し、ペニーを探すはずだった。


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