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('、`*川魔女の指先のようです
235
:
名無しさん
:2018/01/07(日) 21:53:42 ID:9ft78oqo0
この事態が伝わっていたとしても、今さら逃げることも隠すことも出来ない。
どこかに隠れ潜み、再び卑怯な手段で攻撃を続行することだろう。
堂々と動けないとなると、隠れる場所は限られてくる。
建物か、森の中だ。
森には親友のギコ・コメットがいる。
彼ならば魔女の行動を先読みして待ち伏せることも可能かもしれない。
タカラは近づいてくるバイクのエンジン音に意識と視線を向けた。
蒼いカウルのバイクが山の方から近づいてくるのが見えた。
遠目に見えるのはグレーのヘルメットと風に靡く妖艶な黒髪――
( ,,^Д^)「見つけたぞ!魔女だ!」
夢中で無線機に向けて叫ぶタカラの胸を、鋭く短い音と共に大きな衝撃が襲った。
見えない拳に殴られたかのように倒れたタカラの姿に絶句するアマンシオは接近してくるバイクにライフルを向け、銃爪を引いた。
警告も確認もなしの発砲は規定に違反していたが、彼の判断は正しかった。
それでも、バイクはジグザグに動いて銃弾を躱し、肉薄してきた。
そして再び銃声が響きアマンシオの頭部を破壊した。
仲間の肉片を浴び、胸の痛みで呼吸が止まったタカラは心臓が止まる思いだった。
顔合わせをした以上、ペニサスが撃ってくるはずがないと考えていたが、現にこうして撃たれていた。
プレート入りの防弾着を着ていなければ死んでいただろう。
ひょっとしたら、殺さないためにあえて頭部でなく胸を狙ったのかもしれない。
一縷の望みに賭け、タカラはベレッタに手を伸ばした。
バイクが速度を落として近付いてくる音が聞こえ、タカラは残忍な笑みを浮かべた。
止まったところを撃てば殺せる。
必殺の距離にお人よしの魔女が入る事を待ち、そして、タカラの望みは実現した。
ただし、急停車によって後輪を持ち上げ、ハンマーのように彼の頭部を踏み潰すという形で実現したことを、脳漿が地面に広がった状態の彼は終ぞ知ることはなかった。
サプレッサーを使用していても、銃声が完全に消えるわけではない。
二種類の銃声が聞こえた時点で、それは間違いなく戦闘の証となる事をケリスチャン・アミーチス一等兵は理解していた。
友軍の銃声は聞き間違えるはずもなく、それとは明らかに異なる銃声は敵勢力のそれに違いないと断定したケリスチャンは銃声のした方に走り出し、バイクが石畳の上を走ってくるのを目撃した。
黒い銃を手に持っているのが見えたケリスチャンは警告を抜きに、カービンライフルを発砲した。
軍の訓練で単射を徹底されていたが、ケリスチャンはフルオートで弾倉の中身を全てバイクに撃ち込んだ。
その幸運な一発が運転手のヘルメットに命中し、頭部が大きく後ろにのけ反った。
彼は勝利を確信し、自分の腕前を称賛した。
撃ち尽くした弾倉を捨て、防弾着のマガジンポケットから新たな弾倉を取り出そうとするも、興奮で上手くポケットが開けられなかった。
ようやく弾倉を手にした時、彼は速度を落とさずに突っ込んできたバイクに吹き飛ばされ、アパートの壁に叩き付けられて脊髄を損傷し、全身の機能を失った。
彼の視界の端に、大きな傷のついたグレーのヘルメットが転がっていたが、その理由を誰かに説明する機会は永遠に失われた。
だが、彼の放ったフルオート射撃は街中に緊急事態を伝える警鐘の役割を果たした。
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