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('、`*川魔女の指先のようです

179名無しさん:2018/01/07(日) 20:36:58 ID:9ft78oqo0
三人はパレンティ・シーカーヘッドら陸軍の狙撃チームが全滅したことにショックを受けていた。
彼らはそう簡単に殺される人間ではなかった。
何度も修羅場を潜り抜け、戦場を生き抜いてきた本物の兵士だった。
パレンティは強化外骨格を使用したにも関わらず、弱点と呼ぶにはあまりにも小さすぎるカメラを狙い撃ちにされて死亡した。

それは、ジョン・ドゥの性能をよく理解しているだけでなく、豪胆な人間である証拠だった。
敵は、人間離れした人間だった。
対戦車砲を手に戦車に立ち向かうのが可愛く見える程の無謀としか言いようがない。

強化外骨格は人の力を上げることはあるが、下げることは絶対にない。
全身を覆い隠す装甲を持つ種類の強化外骨格であれば、生身の人間が銃を持ったところで太刀打ちするのは不可能だ。
ジョン・ドゥはその拳足だけで人を殺せる。
銃で武装しようが、当たらなければ意味がない。

ジョン・ドゥはオーソドックスな強化外骨格だが、それ故に使われ続けてきた理由がある。
汎用性の高い設計もそうだが、何より無駄がないのだ。
人を殺すこと、相手の兵器を破壊することに長け、持ち運びにも問題がない。
仮にジョン・ドゥの弱点を知る人間がいたとしても、近距離でそれを実行に移せと言われても――仮にジュスティア人であろうとも――断固として拒否するだろう。

また、パレンティの死は全体の指揮官を失うのに等しい打撃だった。
これで真実を追うチームが二つとなっただけでなく、指揮をする人間が失われたことにより全体の士気に多少なりとも影響が出てしまう。
自由に行動する権限も今の状況では期待できず、誰がイルトリア軍との戦争を誘発したのかを追う人数が減ってしまったため、しばらくは行動を控えざるを得ない。
  _
( ゚∀゚)「どうする?」

声を出したのはその部屋で最も階級の高いジョルジュだった。
相変わらずライフルの整備は続けたまま、その声は二人に投げかけられ、返答は確実に求められていた。

从 ゚∀从「情報が少なすぎます。
     迂闊な行動は出来ません」

地図に線を引いていたハインリッヒがその手を止めて答えたのに合わせ、スクイッドは本から目を離して答えた。

「ハインリッヒ曹長と同意見です。
まだ動くのは危ないと思います」
  _
( ゚∀゚)「だが、俺の意見は違う。
    イルトリアと戦争をさせようとしている人間なら、今このタイミングで何か行動を起こすはずだ。
    スクイッド、無線の傍受が得意だったよな?」

ジョルジュにはある考えがあった。
ジュスティア軍内部に裏切り者がいたとしても、それは決して一人ではない。
外部にいる人間と連携し、タイミングを合わせて行動しているに違いなかった。
これだけの規模の事を考えるとなると、単独犯では有り得ない。

外部の人間と確実に連絡を取る方法は無線を使った通信。
そして、事態が大きく動いた時にこそ連絡は行われるものだ。
流石に名指しで呼ばれたスクイッドは本を閉じて起き上がり、傾聴する姿勢を取った。
  _
( ゚∀゚)「今から二四時間体制でこの基地周辺の無線を全て傍受して、怪しそうな周波数を見つけるんだ」


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