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('、`*川魔女の指先のようです

176名無しさん:2018/01/07(日) 20:30:58 ID:9ft78oqo0
今回ショーンが危惧していることを、フォックスはよく分かっていた。
すでに派兵された人間は経験値が高く、一朝一夕で作り上げられる存在ではない。
一人として欠かしたくない人間達ばかりだった。
上に立つ人間は時として大胆な提案と決定をしなければならない時がある。
それが今だと、フォックスは意を決した。

長い深呼吸をし、気持ちを落ち着けてからフォックスは短い提案をした。

爪'ー`)「なら、武器を送ろう」

(´・_・`)「武器?ライフルがグレードアップしても、撃つ人間が変わらなければ意味がありません」

爪'ー`)「戦車と迫撃砲を使えば爆殺出来る。
    戦車隊と砲兵隊を派遣する」

ショーンは目を見開き、市長を見た。
彼の正気を疑う素振りを隠そうともせず、ショーンは掴みかかる勢いで身を乗り出す。

(´・_・`)「それは兵器です!戦争をするつもりですか!」

その言葉に、市長は首を横に振った。

爪'ー`)「いいや、兵士が使う道具である以上武器だ。
    それにこれは紛争だ」

(´・_・`)「言葉遊びをしているのではありません!お言葉ですが、私はイルトリアの強さを知っています。
     奴らとはまだやりあうべきではありません!残念ながらジュスティア軍はまだイルトリア軍と戦えるだけの力がありません!」

爪'ー`)「イルトリアの動きを見てみたまえ、ショーン大将。
     奴らは増援も出していない。
     つまり、狙撃手は見捨てられたんだ。
     街対街の争いではない。
     個人対街の問題だ。
     いわば治安活動の一環だ」

市長の物言いに言葉を失ったショーンは、他の人間達を見た。
部下のハルーシオ・マイトビー中将、リリプット・グランドオーダー少将も同様に驚いた表情で市長とショーンを見比べている。
しかし、陸軍のマタンキ・グラスホッパー中将とミルナ・バレスティ少将はショーンの事を軽蔑の眼差しで見つめている。

陸軍と海兵隊との間には長年の軋轢がある。
決して埋めることの出来ないその溝は、軍隊の設立時代からある化石のような物だ。
このタイミングでそれが出てくることにショーンはどうしようもない憤りを覚えた。
今はプライドを捨ててでも一つにならなければならない時期なのだ。

冷静に考えても見れば、こうしてジュスティア軍が翻弄されているのはたった一人の狙撃手によるもので、それ自体が異常であると認識し、垣根を越えて問題解決に取り組むべきだったのだ。
それが、陸軍のマタンキが熱烈な好戦派であることが分かり、彼が白熱した言葉を並べたために今の事態に発展したと言っても過言ではなかった。
本来であればもっと穏便に――それこそ、机上の話し合いで――解決出来たはずだった。


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