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('、`*川魔女の指先のようです
173
:
名無しさん
:2018/01/07(日) 20:29:15 ID:9ft78oqo0
第五章 【嵐の夜】
八月十日。
狙撃手達の長い夜が明け、新たに五人の名前がジュスティア軍の戦死者名簿に載ることになった。
その結果がジュスティア本土に伝わり、早急に会議が行われた。
イルトリア人の生き残りが単独でここまで多くの死者を生み出すことになるとは、誰が予想出来ただろうか。
敵が殺したのはいずれも多くの戦場を生き延びた実力者で、相手が何者であっても決して油断することはない者だった。
子供相手にも銃爪を引くことの出来る彼らの経験値は、言い換えれば自信であり信頼だった。
誰よりも彼らの実力を信じていた市長フォックス・クレイドウィッチは机の上で拳を作り、それをどうにか振り下ろさないように自制し、普段はあまり吸うことの無い葉巻を口に咥えていた。
葉巻から吐き出す紫煙が部屋に霞のように広がり、彼の感情と同様に他者にも広まっていた。
正義の執行者たるジュスティアの市長に就任して以来、これほどまでに激怒したことはなかった。
激怒と言う言葉すら生ぬるいと感じる程の怒り。
憤りはフォックスの氷のような精神に沁み込み、自制心を犯した。
負けるはずのない、負ける要素のない兵士達がなす術もなく殺された。
軍人としての経験があるフォックスには、その異常さがよく分かる。
大胆不敵な行動で次々と兵士を殺し、未だにその正体が分かっていない。
陸軍が入手した情報によれば相手は凄腕の狙撃手という事が分かっているが、それ以外については謎のままだ。
回収された薬莢は拳銃の物だけで、狙撃銃から発射された薬莢はジュスティアの物しか見つかっていない。
一切の手がかりのない亡霊が相手の場合、軍隊は太刀打ちが出来ない。
あれだけの過酷な訓練を経た軍人がろくな抵抗すら出来ずに一方的に翻弄された事実は、受け止めなければならない。
爪'ー`)「テックスから連絡は?」
(´・_ゝ・`)「未だにありません」
海軍大将デミタス・ステイコヴィッチが頭を横に振る。
フォックスは葉巻の煙を肺に送り込んで、静かに吐き出す。
爪'ー`)y‐「狙撃手の正体だけでも分からないのか」
要は狙撃手の正体が分かっていないから手古摺るのだ。
正体さえ分かってしまえば、島のどこに隠れていようが島民の目撃情報を元に居場所を突き止め、殺すことが出来る。
(´・_ゝ・`)「死体から見つかったライフル弾を調べたところ、7.62㎜弾が使用されていました。
これはモシンナガンなどに使われている弾です。
しかし、イルトリアでは――」
爪'ー`)y‐「要点だけを言えばいい」
妙にもったいぶった言い方をするデミタスに、フォックスは苛立ちを辛うじて抑え込んだ声で強調した。
余計な言葉は時間の無駄であり、思考の邪魔になる。
(´・_ゝ・`)「はっ、失礼いたしました。
イルトリア軍では使用されていない弾種です。
一人を除いて」
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