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('、`*川魔女の指先のようです
151
:
名無しさん
:2017/12/25(月) 23:14:38 ID:ZLy5QeVs0
彼女の手に抱かれるドラグノフの有効射程内であるが、急所に当てなければ必殺とは言い難い距離でもある。
狙う場所は防弾着では守ることの出来ない頭部。
小さな豆のようにしか見えないそこに狙いを合わせ、動きが落ち着くのを待つ。
頭部は人体で最も動く場所と言っても過言ではない。
その動きにあるパターンを読み、十字線の位置を微調整する。
呼吸が少しずつ整い、体がリラックスした状態になる。
力みはいらない。
必要なのは赤子のような脱力と、機械のように正確な動きだけ。
弾道を予測し、木々の動きで風を読む。
心臓の鼓動を遅らせ、心臓が脈打つ間を少しでも長くする。
中距離程度の狙撃であれば気にしなくてもいいが、鼓動一つで照準が狂ってしまう長距離狙撃の時には必ず鼓動の間に銃爪を引かなければならない。
どれだけ過酷な条件下でも狙撃手はそれが出来る。
そう訓練されているのだ。
風の音。
夜の匂い。
星々の光。
自分を取り巻く全ての環境がペニーと一つになり、遂には自分そのものが消えてなくなる感覚。
風向きの微妙な変化、湿度の変化に伴って照準が動く。
これがペニーの才能。
環境に同化し、集中力を極限まで高め、環境の変化に伴う狙点の調整を無意識の内に行う事の出来る、狙撃の才能。
硝子で出来た銃爪を引き絞るようにして、優しく、その指に力を込めた。
直後、独特の金属音を伴った銃声が響いた。
反動が肩に訪れる。
その数瞬後、視線の先の人影が倒れた。
狙い違わず側頭部に当たり、即死しただろう。
倒れた体が奇妙に痙攣するのを確認し、その死を確信した。
まだ熱を持つ薬莢を拾い上げ、それをポケットにしまう。
銃に安全装置をかけ、ペニーはそれをライフルケースにしまい、ヘルメットを被る。
バイクに跨ってエンジンをかけ、急いで山を下った。
エンジンを切った状態で逃げるという選択肢もあったが、敵を混乱させるには複数同時に多くの情報が与えられた方がいい。
多すぎる情報は時として、不利な状況を作り出す材料の一つにもなるのだ。
それを防ぐために情報の取捨選択をする司令部があるが、その司令部は今機能を失っている。
つまり、必要な情報とそうでない情報が錯綜することになる。
仮に誰かがその役割を代行したとしても、すぐには機能しない。
山の東側を目指し、アクセルを捻る。
ギアはセカンドに入れ、ブレーキよりもエンジンブレーキによる減速を優先した。
クラッチとアクセルを巧みに操作し、最速で山下りを果たした。
舗装路に出てすぐにギアを上げ、アクセルを捻って速度を上げた。
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