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('、`*川魔女の指先のようです
148
:
名無しさん
:2017/12/25(月) 23:10:01 ID:ZLy5QeVs0
サンディーは赤外線暗視装置をかけ、視界を暗闇の世界から熱源を表す極彩色の映像に目を凝らす。
彼の目には世界が青から赤までの鮮やかな色が浮かび、熱が高ければ高いほど、赤に近くなる。
これでどこに隠れていようが一目で分かる。
山頂から拭き降りてくる温い風が葉擦れ音を引き連れて、兵士達の頬を撫でた。
心臓を何かに鷲掴みにされたような錯覚を覚える。
相手は狙撃手。
彼らが感じた感覚は、決して大げさなものではない。
狙撃手が本気で狙ったら一キロ以上先からでも人を殺す。
今のところ三発の銃弾は誰の命も奪っていないが、油断はできない。
四発目が誰かの心臓を貫かないとは限らないのだ。
『アルバート隊、ギリー隊、ベンジャミン隊、マイル隊はフラッシュライトを使用し、陽動を行え。
狙撃手を追い立て、他の部隊は出てきたところを捕えるんだ。
捕獲が難しそうなら射殺しても構わない』
誰もが正義の鉄槌を悪の狙撃手に振り下ろす瞬間を心待ちにしていた。
捕獲などしなくていい。
殺された仲間の家族のために、そして何より、彼らの仲間である自分達の望むのは狙撃手の速やかなる死だ。
彼らは正義の執行者。
彼らは正義の代理人。
その矜持こそが彼らの最大の武器であることを、今こそ狙撃手に知らしめる時だ。
彼らが奏でる軍靴に怯え竦ませてやると息を巻き、安全装置を外したライフルを掲げ、暗闇に潜む狙撃手を炙り出し、火炙りにしてやると決意を固める。
三〇分ほど山を登り、頂上が近付いてくるも、人の気配は当然感じ取ることが出来ない。
だが、硝煙のかすかな香りは嗅ぎ取ることが出来た。
周囲を睨めつけるようにして体温の高い生物の姿を探す。
「サンディーS、目的地付近に到着。
引き続き――」
――そして、四発目の銃声が鳴り響く。
だが、今度はどこにも光を見ることが出来なかった。
彼ら以外の部隊が目撃していたことを期待し、無線に呼びかける。
「銃声を確認!だが発砲炎は見えなかった!」
『ベンジャミンV、こちらも銃声は確認したが発砲炎は確認できない!確認出来た部隊は報告を!』
それから散発的に銃声の報告は入るが、誰も発砲炎を見ていない。
本部が何か新たな指示をしてくれるのを皆が待ちながら、それより前に与えられた指示を実行しながら今か今かと切望する。
だが本部は何も言ってこない。
情報の集約に時間がかかっているのかもしれない。
「被害はどうだ?」
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