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('、`*川魔女の指先のようです
135
:
名無しさん
:2017/12/25(月) 22:56:47 ID:ZLy5QeVs0
「無論、嘘に決まっている。
だが私の顔を相手は知らないだろう」
陸軍最高権力者の一言に対して反論する馬鹿はいない。
彼の作戦に対して周囲の人間が出来るのは異見ではなく提案と同意だけなのだ。
もちろん、彼が求めるのもそれだ。
「狙撃チームを用意した方がよさそうですね」
愚かな情報を提供した大佐が、ようやくまともな言葉を口にした。
狙撃手には狙撃手で対抗するのが最善だ。
互いの思考を最も理解し、相手が取る行動を予測出来るのはやはり同じ狙撃手に限る。
殺された狙撃チーム以外にもこの基地には別に狙撃手はいる。
それも、軍を代表する腕利きの狙撃兵が。
出し惜しんで全てが水泡に帰しては元も子もない。
今は、出来る限り最善の手で迎え撃つ。
覚悟を決める。
イルトリアとの戦争も視野に入れ、切り札を切ることにした。
「すぐに作戦部隊を編成する。
ジョン・ドゥも用意しておけ」
______________________∧,、___
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V`´ ̄ ̄
遮光カーテンで朝日を遮った暗い部屋で、その人物は焦りを感じていた。
焦燥を覚えるのは久しく、それは計画全体に支障をきたすまではいかないまでも、その人物を臆病にしかねない毒として認識していた。
臆病であることは時には必要なことだが、計画を考え付き、実行に至った段階でその脆弱な思いは捨てなければならないものだった。
その人物は大勢を裏切り、大勢を犠牲にし、そしてより大勢を救うという大役を担っていた。
今さら臆してはならない。
その段階はとうの昔に過ぎている。
そもそもの計画の狂いが生じたのが、いるはずのない人物の登場だった。
当初は二五人、それが全員のはずだった。
その数を殺せば難なく終わるはずだったのに、二六人目が現れてしまった。
イルトリア軍きっての狙撃の天才、ペニサス・ノースフェイス。
数多くの戦場で数多の屍を築き上げ、観測手を嫌う稀有な狙撃手は、今の状況でその本質を発揮することだろう。
それは予定にないことだった。
そもそもの計画では、彼女は登場しないはずだった。
彼女がいなければ今頃は、当初の計画通りに物事が進み、願いが叶う瞬間、花が芽吹く瞬間を特等席で眺めていた事だろう。
望む世界の到来を、歓喜を以て迎え入れ、自らの行いの正しさを示していたはずだ。
だがそうはならなかった。
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