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('、`*川魔女の指先のようです
129
:
名無しさん
:2017/12/25(月) 22:48:27 ID:ZLy5QeVs0
銃声をある程度抑制するサプレッサーは射程距離を縮め、命中精度と威力にも影響を与える。
長距離狙撃の時には間違っても使うことの無い装備だが、室内や街中での戦闘では重宝する時がある。
銃声が相手の耳に届かないという事は、相手にこちらの位置が伝わりにくいという事で、それはつまり相手に気付かれないようにして殺すことが出来るという事。
狙撃手はその役割柄、場所を知られることを嫌う。
場所が分からない相手に銃弾は届かず、砲弾もそよ風になって髪を撫でるだけに成り得る。
今回の一件には、間違いなく腕利きの狙撃手が関わっている。
ラプアマグナム弾を使い、遠距離から人間の心臓を撃ち抜くだけの技量と自信の持ち主。
人間の心臓は思ったよりも小さく、体の中心には存在しない。
それを正確に狙い撃つ狙撃手は腕に自信があり、人体構造をよく知っているだけでなく、紛れもない実力者だ。
厄介なのはラプアマグナム弾を使われると、狙撃場所が特定しにくくなることだ。
半径一五〇〇メートルが狙撃地点となる。
防弾ガラスを貫通するという事は、一キロ以内の場所から撃った可能性が濃厚だ。
だとしても、途方もない数の場所が狙撃地点の対象となる。
死体を見た限りでは基地で一人、そして海上で四人。
それぞれの距離関係を考慮すると、最低でも二人の狙撃手がラプアマグナム弾を使用していることになる。
毒を以て毒を制す。
炎を以て炎を制す。
狙撃手を以て狙撃手を制するのだ。
必要ならばここにやってきたジュスティア軍の全員を殺してでも、ペニーは死んだ者の仇を討つ覚悟があった。
完全防水のオリーブドライのカバーを被ったバイクに近づき、カバーを一気に剥す。
そこにはペニーの愛車が傷一つない完全な状態であった。
キーを差し込んでバイクの状態をモニターに表示させ、前もって準備しておいた通り充電は完了していることを確認した。
必要な物はこれで全てだった。
武器、弾薬、そして機動力のあるバイク。
これで戦える。
だが、挑むのは今ではない。
挑むのは次の段階を満たしてからだ。
次に必要なのは物ではなく、時。
定刻ではなく、自ら作り出す契機だ。
熟した時こそが、不利な状況を一変させ得る力を持つ。
満を持して戦うのはそれからだ。
そして次に行ったのは、この基地を脱出するための破壊工作だった。
______________________∧,、___
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V`´ ̄ ̄
八月九日、午前一時。
定時確認のために倉庫の扉を開いたフロレスタノ・アンドレオッティは、自分の体が爆発四散した経験はなかったが、
次の瞬間に彼を襲った衝撃による痛みを感じる間もなく命を落としていたため、その後の人生で同じ苦しみや痛みを味わう事はなかった。
細かな肉片になって夜空に舞い上がった彼の肉体は、同時に生じた紅蓮の炎によって炭と化した。
慈悲深い炎は彼を煉獄の炎で焼き、次いで、倉庫の扉の大部分を吹き飛ばした。
火の粉が空に舞い上がり、黒煙が濛々と夜空に昇っていく。
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