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('、`*川魔女の指先のようです
118
:
名無しさん
:2017/12/25(月) 22:32:29 ID:ZLy5QeVs0
从;゚∀从「そこまで酷い有様だったんですか?」
「あぁ、酷いなんてものじゃない。
ここ最近で一番糞ったれな死体だったよ」
ハインリッヒは少し申し訳なさそうな表情を浮かべたが、それは決して死んだイルトリア軍人に向けての物ではない。
だが、ややあってハインリッヒは疑問の色をその目に浮かべ、パレンティを見た。
从;゚∀从「私は下方から撃ちました、角度で言えば四五度ほどですから、爆風は上に抜けるはずですが」
「確かにそうか……だがそれが――」
そこまで言いかけて慌てて口を紡いだが、彼の中で疑問が膨れ上がり、それは確信的なまでの疑念へと成長した。
だがそれはあまりにも馬鹿げた疑念であり、そんなことを誰かに話したところで信じてもらえるような物ではない。
第三者が意図的にこの事件を戦争へと昇華させようとしているなど、あまりにも荒唐無稽な妄想なのだ。
______________________∧,、___
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V`´ ̄ ̄
八月八日午後一時二七分。
イルトリア駐屯基地はジュスティア軍によって制圧された。
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V`´ ̄ ̄
噂は手紙よりも速く、そして無尽蔵に広がり続けるものだ。
たった一人の目撃者がそれを三人に話すと、その三人が今度は五人に話し、一五人になり、その一五人が一〇人に話し、という具合に知れ渡ってしまう。
それが衝撃的な話で尚且つ人の興味を引くネタであれば、その広がり方は爆発的と言う表現を使うのが適切になってくる。
今回、イルトリア駐屯基地がジュスティア軍の奇襲により陥落し、基地にいた兵士全員が死亡したことは爆発的な速さで島中に知れ渡る事となった。
噂の速さには劣るが、イルトリアがいなくなったティンカーベルに派遣されたジュスティア軍が基地を我がものとする速さは、獲物を追う肉食獣を彷彿とさせた。
派遣されたのは陸、海、海兵隊から選ばれた人間で構成された一五〇人規模の中隊で、基地の掌握に要した時間は到着から僅かに一時間の事だった。
本当なら更に短縮化が出来たのだが、現場で指揮を執る陸軍大将テックス・バックブラインドが最初に出した指示が、三〇分で完了する作業を一時間にまで伸ばしたのである。
その指示とは、殺したイルトリア軍人の遺体回収だった。
射殺体は容易に回収が出来たが、最後に肉片になった死体の回収に手間取ってしまったのだ。
それでも回収を終えた肉片は頭部とそれ以外に分けられ、正確な殺害数を割り出すことに成功した。
海上を漂っていた船からも回収した死体を合わせて、最終的に出された数は死者二四人。
対してジュスティア側の被害は一名と圧倒的に少なく、これまで拮抗していると思われた両者の戦闘能力に対しての認識が変わり始めようとしていた。
圧倒的な戦果にも関わらず、ジュスティアは決して傲慢な態度を取るわけでもなく、両軍の死者に対して深い追悼の意を表するという、実にジュスティアらしい対応をした。
出来れば死者を出したくなかったというジュスティア陸軍大将の言葉は、ジュスティア人ならではの考え方を代弁しており、戦闘行為に対して島から非難の声が出ることはあまりなかった。
イルトリア人の死体は全て死体袋に詰められ、島の死体安置所に運ばれ、後は火葬待ちの順番を待つばかりだった。
こうしてたった一時間半ほどの戦闘によって島に駐屯する軍隊が変わる事となり、翌日にはジュスティア軍の船が沖合のパトロールに出て行くことが決定された。
全てが異例の速度で進められる中、英雄と称えられる八名は兵舎の一階にある休憩室に鍵をかけて話し合いを行っていた。
(;・3・)「どうなってるんだ、本当に……」
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