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('、`*川魔女の指先のようです
105
:
名無しさん
:2017/12/25(月) 22:18:30 ID:ZLy5QeVs0
エンジンを切る事さえせず、テーロスはモニターに目を向けた。
超音波を利用して海底の形を知るための物だが、魚群を捉える事も出来るそれには、大きな影が二つ見えていた。
恐らくは人間だろうと予想したテーロスは船外にいる部下二人に命令を下す。
「チャック、アレッサンドロ、ダイバーがいないか見てこい。
抵抗するなら殺しても構わない」
その命令に従い、二人は潜水道具を準備して海中に飛び込んだ。
「少佐、本部は何と?」
銃座に付いたままのニクスは、偏光グラスをかけて出来る限り海中の様子を探ろうとしていた。
「船が島に付いたら捕まえて尋問するとさ」
仮にあの男がジュスティア軍人であれば、ティンカーベルに於ける捜査を止めるようにというイルトリアの警告を無視したことになる。
「嫌な展開ですね」
「だが逆に考えると、ジュスティアの連中がティンカーベルの海域を調べるってことは、何か見つけなければならない物が残ってるかも知れない。
いい傾向だ」
今さら彼らが何を探しているのかは分からないが、邪魔されるのは御免だった。
一発の銃弾が歴史を変えるという諺の通り、彼らは状況を逆転し得る可能性を持った銃弾を探しているのだ。
それさえ見つかれば、これ以上ジュスティアに我が物顔はさせずに済む。
少ししてチャックとアレッサンドロが海中から浮上し、首を横に振った。
「駄目です、水中スクーターを使われました。
途中まで追いましたが、島の方に行きました」
「用意のいい連中だ。
仕方ない、追跡は諦めて証拠物件A002を探してくれ」
エンジンを切り、錨を降ろして船を固定させ、調査を再開する。
その時、正午を告げる鐘の音がグルーバー島のグレート・ベルから鳴り響いた。
ガラスを打ち鳴らすように澄んだ音色は幻想的な響きを含み、ティンカーベルが鐘の音街と呼ばれている事を思い出させた。
その音に、顔を海面に出していた二人が島の方を振り向いた。
その時、チャックの頭がザクロのように爆ぜ、脳漿が海面に飛び散った。
あまりにも唐突すぎる光景に、三人の行動は経験値によって大きく分かれてしまった。
真横で味方の頭が爆ぜたことに呆けるアレッサンドロは、次に自分がそうなる事にも気づかぬまま、同じようにして絶命した。
彼の眼球が海に落ちる前に、ニクスは飛び降りるようにして船内に戻った。
テーロスは身を屈めてエンジンを始動し、緊急事態を告げるために無線機に手を伸ばしたが、風防ガラスと同時にそれが砕け散って火花を上げる。
マイクが無残に千切れ落ち、テーロスの目の前に落ちてきた。
超遠距離からの狙撃であると判断した二人は、伏せたまま操舵室から動けなかった。
「銃声は?!」
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