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('、`*川魔女の指先のようです
103
:
名無しさん
:2017/12/25(月) 22:15:18 ID:ZLy5QeVs0
「砂に埋もれた可能性も含めて考えると、沈没船の財宝を探した方がよっぽどいいな」
「ですが、これしか手はないかと」
「なら、やるか」
即決したテーロスは覚悟を改めたかのようにアイスコーヒーを飲み干し、海図の横にそれを置いた。
船尾でコーヒーを飲む二人に合図を出し、抜錨する。
速度を上げ、間違ってもジュスティアの海域に入らないように慎重に舵を切りつつ、最短距離を急ぐ。
「……少佐、四時の方向に民間の船が」
船が目的地に近づいてきた時、双眼鏡を手にしたアレッサンドロが怪訝そうな声で報告をした。
ここはティンカーベルの海域であるため、民間の船舶がいたところでなんら不思議はないが、四時の方向――彼らから見て後方右手――となると、そこはティンカーベルの海域になる。
「シュノーケリングの装備を持っています」
「……沈没地点の付近でシュノーケリングは禁止にさせたと思ったが」
テーロスの発言に対し、アレッサンドロは首肯しながらも双眼鏡から目を離さなかった。
事件直後、イルトリアはティンカーベルの漁業組合と観光組合に対して沈没地点から半径一キロ圏内での仕事の一切を禁止するよう要請した。
迂闊に民間人が証拠を手にしてしまえば、その効力は勿論、下手をすれば証拠が消えてなくなる可能性すらあるからだ。
海面に浮かぶブイの位置と船の位置を見て、問題の船は間違いなくティンカーベル領にいることを確認した。
「どうしますか?」
「警告してどうこうなる連中ならいいんだが……どこの連中か分かるか?」
「環境保護団体のマークがあります」
「なら、どうこうなりそうだ」
舵を切り、テーロスは高速艇を民間船の正面に移動させた。
甲板には一人だけポロシャツ姿の男が座っていて、サングラスを下げてこちらを警戒するように睨んだ。
その目つきは少なくとも環境保護団体の人間がするには険しく、敵意に満ちていた。
服を下から押し上げる二の腕は丸太のように太く、単純な腕力にも自信があるためか、高速艇を見ても全く恐れた様子がない。
ふてぶてしい態度を取る男に対し、拡声器を持ち出したチャックが威圧的な声を発した。
「そこの民間船に告ぐ、この近辺は現在立ち入り禁止になっている。
今すぐダイバーを回収し、立ち退きなさい!」
下げていたサングラスを上げて目を隠し、男は大声で返答した。
「許可はもらってる、悪いが他所に行ってくれ!」
「そんな許可は下りていない!警告に従わない場合は、力ずくで排除する!」
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