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海のひつじを忘れないようです

94名無しさん:2017/08/19(土) 22:44:05 ID:rN6ohdMg0
「お、お水……」

早食いチャンピオンのショボンが、食べ物をのどにつっかえさせたのか、
胸をどんどんと叩いていた。応援していたこどもの一人がコップをわたすと、
ショボンはそれを一気に飲み干す。それがいけなかったのかもしれない。
水分が気道に潜り込んだのかショボンののどはけほけほと異物を追い出そうとして、
その勢いのまま鼻から水が飛び出した。

それが恥ずかしかったのか、それとも単純にむずがゆかったのか、
ショボンは強い勢いで鼻をこすりだした。ごしごしと丹念に、丸い顔を歪めて。
しかし競争の真っ只中での勝負に無関係な行為は、
その勝敗において決定的で致命的な一打となる。

ショボンが鼻をこすっている間に、勝負相手が勝ち名乗りを上げた。
周囲から歓声が巻き起こる。

チャンピオンから陥落したショボンは、鼻を押さえながら、
本気で悲しそうな顔をしていた。そして慌てて、どもりながらもう一回、
もう一回と再戦を主張していた。その光景を見て、ぼくはくすりと笑った。

笑ってしまった。


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