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海のひつじを忘れないようです

85名無しさん:2017/08/19(土) 22:40:12 ID:rN6ohdMg0
そこで、ぼくに指令が下った。
カンポウシキに出席し、このイベントについてはもちろん、
この教会に関する情報を可能な限り取得せよ、との指令が。
つまり見知らぬ人の輪に入り、親しげに話しかけてここの秘密を探れ、という命令。

ぼくは人見知りだ。初対面の人を前にすると何を話していいかわからず、
黙り込むか、どもってうつむくかくらいしかできないような有様だ。
ぼくには荷が重い指令だと、正直思わないでもなかった。

しかしこのぼくに、小旦那様の言葉を断るという選択肢は、
初めから存在していなかった。例えそれが火山の火口に
飛び込めという指令だったとしても、ぼくは迷わず身を投げる。

それにこの時のぼくは妙に落ち着かない気分で、
小旦那様の思いに報いなければならないなどと意気込んでいた。
ぼくが小旦那様のひつじであることを証明しなければならないという、
そんな気持ちが強まっていた。

だからぼくは、意を決して声をかけた。
ワタナベという名の、その女の子に。

けれど、実際のところ。
人選を、間違えたかもしれない。


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